米、対中制裁関税引き上げ 大統領、企業に撤退要求
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先日ワシントンD.C.に行って色々と話しを聞いてきました。
これまで政策決定に重要な役割を果たしてきた経済学者などのブレーンの多くがトランプ大統領と距離をおいており、政府機関の要職も決まっていない状況が長く続いています。
この記事にも「トランプ大統領は…」とありますが、トランプ大統領のツイッターなどの発言で次の方向性が決まり、それに対して現場がバタバタ対応しています。ファーウェイに対する輸出規制が90日伸びるなど、政策がコロコロ変わりますが、現場の対応が後手後手に回り、かなり疲弊している印象を受けました。
こんな状況でよくもっているな、というのが正直な感想です。アメリカの底力でしょうか。
一方で、中国国内では一丸となって対抗しています。
大学においても、政府の依頼を受けて様々な角度から中国国内への影響を分析し、それを政策決定に反映させています。過去における日米貿易摩擦に関してもかなり研究しています。
様々なシュミレーションを想定した上で政策決定していくため、当然ツイッターよりも遅くなりますが、政策には一貫性があります。
政策決定の現場においては、摩擦が長期化すればするほど、アメリカにとっては厳しくなるのではないか、というのが現時点における私の感想です。どんどん税金をかけて中国からの輸入を減らしていく。
アメリカの消費者はそれによってメリットを得ることはない。
アメリカ企業が本国に還流すればいいが、あまり見いだせない。
中国経済もすごく打撃を受ける。
下振れは世界各地で起こるだろう。「米中は冷戦に突入しつつある」という認識が重要です。米中貿易戦争(実際には米中冷戦)は、今後も続きます。
米国は、中国と覇権を争うためなら、肉を切らせて骨を断つ覚悟です。
短期的に一喜一憂するのではなく、長い目で米中関係が冷えていく事を前提に物事を考える必要があると思います。
「米国と取引したかったら、中国と取引するな」という事になっていくとすれば、中国も報復措置に出ざるを得ないでしょう。
日本企業も中国との関係を慎重に考えておいた方が良いと思いますよ。