韓国が日本との軍事協定破棄決定 大統領府発表
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日韓のGSMIA締結は2016年のことですが、締結にあたっては、韓国内で日本を仮想敵国視する風潮から、軍事機密の共有に根強い反対があり、締結が4年も伸びた経緯があります。
日本とすれば3年前に戻るだけとも言えますが、過去の経緯からみると文政権としてはGSOMIAの破棄は、日本は仮装敵である、という国民向けのメッセージとして、象徴的な意味で大きな意味があるわけです。
しかし政治的な点を除いて、純粋に安全保障の観点から言えば、日韓両国にとっては良いことなど何一つあるわけではなく、喜ぶのは中国と北朝鮮だけです。
なんという愚かなことかと思もわずにはいられません。3時間に及ぶ会議の末の決断と聞いています(消息筋)。破棄のニュースが流れる少し前までは、例えば、Korea Timesは「Cheong Wa Dae expected to extend GSOMIA」(青瓦台はGSOMIAを継続の方向)と報じていました。
長時間の会議だたことと、日韓関係の悪化を受けてからのKorea Timesは、日本に厳しいスタンスの報道を続けていたにもかかわらず、GSOMIAは継続されるだろうという臆測を出していたことを考えると、兎に角破棄だ、ということではなかったことが推測されます。
政権内部で相当な議論があったと聞いています。政党をみれば、保守系はもちろんGSOMIAの破棄(更新中止)に対して慎重でしたし、革新系政党(進歩系政党)のなかでも、そこまでやってしまうのか、という意見が出されていたと聞いています。
GSOMIAは実質的に意味がないという見方もありますが、これは米国を軸とした日米、米韓という合わせ技のトライアングル同盟の象徴でもあり、北朝鮮など東アジアの安全保障体制の中に、この枠組みが存在すること自体に意義がありました。また、いざというときには実質的にも機能することになります。
次に焦点になるのは、米国の反応、そして韓国国内の世論、北朝鮮、中国、ロシアです。韓国でも、流石にこの一線は越えてはいけない、という意見は存在していました。まずは、今日の夜にかけて、アメリカの政権要人の発言、韓国のオンラインメディアがどのような論調になるかが要ウォッチとなります。
在韓米軍が存在することの意味は、日本の安全保障にとっても極めて重要です。もともと、アメリカはここ数年、リバランシング(軍事力配置の見直し)を続けており、在韓米軍の再編をしてきています。仮に在韓米軍がなくなると、防衛の最前線は対馬となり、それに対応する在日米軍ということになります。
日本にとってベターな安全保障環境を追求するには感情的にならず、粛々と次の手を打つことを考えて行くことが必要です。
過去、NewsPicksで下記のような特集を組みました。朝鮮半島をめぐる日本の安全保障を再考するための資料として、ご活用いただけると思います。
特集「朝鮮半島クライシス」2017年4月8日〜16日
https://newspicks.com/book/584