安保理、カシミール問題結論出ず 印パ、議場外で非難応酬
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国連が二国間の対立解決に関与する場合、最も穏当なのは、二国双方から要請を受けて、調停者として関与することです。しかし、二国双方の要請が無くても、あるいは一国の国内問題であっても、国連が介入することはありえます。しかし、それは米国主導の下で中小国に介入する場合だけです。インドやパキスタンに無理矢理介入などできません。
現在、パキスタンは国連の関与を歓迎していますが、インドは望んでいません。常任理事国である中国が、国連の安全保障理事会に提起することで議題になりました。パキスタンにとって主要な同盟国である中国の、パキスタンに対する外交的な好意といえます。
パキスタンが、国連の介入のもとで実現を求めるカシミール問題の解決策は、住民投票です。カシミール州の住民が、
①インドへの帰属
②パキスタンへの帰属
③カシミール国としての独立
という三つの選択肢から選ぶというものです。これだと、②か③になる可能性が高いため、インド政府は住民投票には反対しています。したがって、インドとしては国連の関与は不要であり、国連にできることはほとんどないでしょう。インドのモディ首相は、サンガ・パリヴァール(ヒンドゥー至上主義)勢力の後押しで政権を獲得した。そして、憲法第370条の骨抜きにする政令法案で、カシミールの自治権を剥奪しようとしている。たしかに、この法案は議会を通過した、しかし、ラーム・ナート・コーヴィンド大統領の署名がなければ、最終的に発効させることが出来ない。コーヴィンド大統領はモディ首相に近いが、まだ先行きは不透明だ。なお、インドの国連代表は、他国による内政干渉を非難している。