EUタクソノミーに関する議論の進展
NPO法人 国際環境経済研究所|International Environment and Economy Institute
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注目のコメント
マニアックな話ですみません。ESG投資というと「いいことしている企業に投資しましょうー」みたいなホンワカした議論を想像される方が多いと思うのですが(そんなことない??)、当然のことながらそんなホンワカふんわりしたことでは済まず、「何がgreenか」「brownなものからは投資を引き上げるべき。ではbrownな技術とは何か」というぎちぎちした議論がついてきます。
例えば、EUの温室効果ガス排出量の1/4以上を占める発電部門については、100gCO2e/kWhが提案されていますが、さらに、この基準も5年ごとに引き下げられる予定です。というのは、2050年に実質的にネット・ゼロエミッションを達成しなければならないので、それと整合的にしなければならないというわけです。
太陽光や風力、水力などについては、ライフサイクル排出量(LCE)の検証を今はしなくてよいとされていますが、将来的にはこの点も変更される予定です。
LCEの点で注目されているのは天然ガス発電で、ガス・サプライ・チェーン全体での漏洩排出のリスクが高いと考えられるため、継続的に漏洩排出の全ライフサイクル評価を提供しなければならない見通しです。推定値ではなく「実際の物理的測定」を用いるべき、とされているので、データを把握するのもかなりな負担になるでしょう。石炭火力を廃止して天然ガス火力に・・という「低炭素化」は実際的には困難になり、「脱炭素化」しか認めないという方針に読めます。