あいちトリエンナーレ「表現の不自由展・その後」をめぐって起きたこと――事実関係と論点の整理
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「表現の不自由展」名古屋高裁も名古屋市に負担金支払い命じる https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20221202/3000026283.html
注目のコメント
いままで拝読した「あいちトリエンナーレ 表現の不自由展」に関する記事のなかで
時系列と出来事が分かり易く、落としどころも納得です。
ついでに当件について個人的な気持ちを書かせていただきます。長文でごめんなさい > <
わたしの知人のなかには、あいちトリエンナーレに出展されている作家さんが幾人かいらっしゃり、ご自身のSNSで津田さんがトリエンナーレに頑張って取り組んでこられたことについて述べられています。それは事実かもしれません。
しかし津田さんやスタッフの多くのひとたちが心血を注いで芸術祭に取り組んでいらっしゃっていたことと、この件はまた別問題です。
また、津田さんの人権を侵害するような発言がSNSで飛び交っていますが、これも立派な人権侵害、名誉毀損、侮辱罪ではないでしょうか。
そもそもなぜ多くのひとが善と悪の二項対立で考えたがるのかが理解できません。水戸黄門とアンパンマンの見過ぎです。
わたしは十数年前に北京へ留学していたのですが、定期的に学校内で反日映画を流す会が開催されており不愉快な思いをしました。しかし一方で、自分は中国政府奨学金で留学している立場のため何も言えないなあ…とモヤモヤしたものです。ですので、こういった作品をみて不愉快に思う気持ちは理解できなくもないですが、いまとなっては見慣れた風景です。
また、わたしが飲料メーカーの子会社に勤務していたとき、某韓国焼酎の広告で竹島を独島と表記したことで炎上したことがありました。もちろん、これは芸術ではなく企業活動ですので今回と状況は異なりますが、芸術だろうと企業だろうと社会へ与える影響力に違いはありません。
数年前に東京都現代美術館で会田誠氏の作品が撤去されたことがありましたよね。
今回の件も同様に、表現の自由について改めて考える機会を与えてくれた、というお土産ができたように思います。個人としては、今回の少女像が展示された事は不快でした。いち作家(あいトリ出品はしてません)としては、展示の中止が不快です。
展覧会というものはその内容が如何に、どのように問題を孕んでいても、一度走り出したのならば会期いっぱいを満了して終わるべきなのです。その会期の中で様々に議論が起き、例えば少女像の慰安婦像としての在り方に歴史的な事実上の誤りや、一方的な思想に偏った妄想があれば、それが議論の中で正され、正しく認識されれば良い。
それが「インフラ」としてのアートや芸術祭の役割だと思います。
この辺りは普段僕が支持している知識人や政治家の方々も、アートの社会的役割に対する認識とリスペクトが甘い、と感じざるを得ません。正しいか正しくないかはアートの本質ではなくて、その間にある潤滑油がアートなのです。
ただ、津田氏の「予想を上回る抗議」と言うのは言い訳に聞こえます。これぐらいの炎上は予想できたはず。
大村知事の「行政が展示に口出ししては芸術祭にならない」はその通りですが、ならば展覧会をランし続ける覚悟は無いのか。
1番の問題は、芸術監督個人の思想的な偏りだと思います。彼がいるゆえに、彼自身にその気がなくてもあいトリそのものが偏って見える。あいトリレベルの芸術祭が偏って見えると言うことは、日本のアートも偏って見える。
僕は、芸術監督の役割は自分のイデオロギーを世に問う事であって欲しくない、と世に溢れる芸術祭を見ながら常々思っています。それこそ「アートと言うインフラ」そのものの価値を世に知らしめてほしい。
声を大にして言いたいのですが、アーティストにだって右も左も中道もいます。左が多く感じられるので僕みたいなのは肩身がせまいですが(笑)ガソリンまくぞ、も表現だが、それは「脅迫」として立件される。表現の自由とは別軸のルールがありえる。知事による中止は「安全管理」が理由で、表現への政治介入を丁寧に避けた。ただ、表現に問題があるとすれば、市長が言う「国民の心」ということより、国も関わる公的イベントでの展示が韓国に反日の政治利用をされるという、外交・国益上の懸念だと考えます。
