トヨタ、中国で滴滴とMaaS協業拡大 約660億円出資
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トヨタはMaaSのなかで資本集約的なところを担おうとしているように感じる。
DiDiやUberはプラットフォーマーだしデータ・ソフトの世界。自社で車やモビリティのハードを抱える資本集約的なビジネスモデルではない。トヨタは少なくとも現在は車を作っているし売っている。それは製造設備も資本が必要だし、過去に蓄積してきた資産もある。
MaaSが期待されるのは、今は稼働率が低い自動車の稼働を上げるため。稼働が挙げれば、利益率が高いサービスは儲かる。ソフトバンクがDiDiやUberなど各種ライドヘイリング、つまりデータ・ソフトの企業に出資する中で、トヨタがその資本集約的なところを担う。
ライドヘイリングやMaaSオペレータは各地域でのコネクティビティやUIなど、どこまでグローバルになるか不透明。ただそのローカル地域においてトップシェアを見込めれば、高収益が見込める。一方で、使われるハード・サービスは地域単位でそこまで変える必要がないので、そこはトヨタが製造してグローバル共通で面を抑えに行く。ただ、今回のDiDiとの合弁の設立など、「土地代」とでも言おうか、そのうまみはお互いに得られるようなビーヒクルも作って、またそうすることでお互いに別れられない存在となる。
トヨタとソフトバンクのMONETなど含めて、こういった構想で考えているのではないのかなぁと動きを見ていて思う。滴滴は「交通ソリューション」を事業理念に掲げ、中国国内では圧倒的シェアを持つ。
彼らの資産はMaaSソフトウェアとプラットフォームであるが、本業の飽和化に伴い、B2B、MaaS関連機器、デザインなど事業領域の拡大に乗り出している。
滴滴は、本業での不祥事への対応と事業多様化の過渡期が重なって今は遷移期にありある種正念場だ。
この遷移期において、トヨタのような異文化企業と提携することはとても興味深い。