株取引アプリのロビンフッドが350億円調達し企業価値8200億円に
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株式売買手数料を無料化し、モバイルUXを磨きに磨いたロビンフッド。
マーケティングも上手で、FOMO(Fear of Missing Out)をうまく利用し、プレローンチで100万人の事前登録者を作った奇跡の証券会社。
ビジネスモデルは、主に金利収益と、フローを外へ流すことによるRewardによるマネタイズが柱で、最近はDeposit系機能やプレミアムアカウントによるサブスクモデルなど追加的なマネタイズモデルを構築している。
フリーミアムxモバイルという、金融というよりインターネット事業社の拡大戦略に近い形で金融機関としては、異様なスピードでの広がりを実現した稀有な証券会社。見習うべき部分は非常に多いですね。
注目のコメント
ロビンフッドは、無料で株式投資ができるアプリです。日本の金融関係者の間でも、5年くらい前から大きく注目されてきました。
日本でもアメリカでも、証券会社は株式取引サービスから3つの収益を得ています。
(1)株式の売買手数料
(2)レバレッジ取引(借金をしての株取引)からの金利収入
(3)待機資金を銀行預金に自動的に回すサービスを提供し(deposit sweep)、預金金利の一部を手数料として徴収
ロビンフッドのユニークな点は、(1)の株式手数料を思い切ってゼロにして、(2)と(3)の金利収入だけに頼るビジネスモデルを築こうとしていることです。
ところが、米国でも(日本ほどではないにせよ)低金利が続いた結果、10年前と比べて(2)と(3)の収益水準も低下傾向です。このため、ロビンフッドにとっては、ミレニアム世代を囲い込み、大規模で安定した顧客基盤を早期に確立することが重要となっています。
今回、ロビンフッドは350億円の資金調達を行なっており、これは今後数年間で350億円の赤字を出す計画を意味します。収益化よりも、顧客基盤の確立を優先していることが、ロビンフッドの財務戦略に明確に現れています。
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【8月5日追記】
何人かのコメントを拝見したところ、ロビンフッドの収益源として「フロー」が挙げられているため、補足します。
「フロー」というのは、ロビンフッドの利用者の株の売買データです。報道によれば、ロビンフッドはこのデータを、ヘッジファンドなどに売却することで、収益を挙げています。ヘッジファンドは、ロビンフッドの利用者の膨大な売買データを購入し、分析することで、トレンドを掴み、収益を挙げることが可能です。
批判的に見れば、ロビンフッドの顧客は、無料で株取引ができる代わりに、自分の売買データを提供しており、特に短期売買が目的の場合には、気づかないうちに少しずつ損をしているはずだ、という見方があります。
最近、私たちが利用するサービスの多くが無料です。しかし、こうした無料サービスを利用する際には、表面的には無料であっても、知らないところで何かを犠牲にしていることもあります。まさに「無料(ただ)より高いものはない」という言葉の通りです。数年以内には、こうした無料のネット・サービスのあり方について、大きな見直しのタイミングが来るかもしれません。株取引アプリのRobinhoodが新たに約350億円を調達し、バリュエーションは約8200億円に。累計調達額は約930億円。ジェイソン・カラカニスも初期に投資を行っています。
ミレニアル世代向けに、1株から手数料なしで取引できることをコンセプトにスタートしたRobinhood。アプリの設計もよくできていて使いやすいです。#Robinhood #ロビンフッド
https://www.crunchbase.com/organization/robinhood
<追記>
ロビンフッドには、柴山プロのピックにある金利収入以外にも大きな収益源があります。
https://bitcoinist.com/no-such-thing-as-a-free-lunch-robinhood-user-info-sold/
<追記>
https://techcrunch.com/2019/07/24/robinhood-stored-passwords-in-plaintext-so-change-yours-now/
OMG!