【最新】吉野家が採用、ANAが参入するスリープテックの実力
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国内のスリープテック市場は、現時点ではNeurospace社やO:社のように、睡眠状態の可視化やアドバイスをTo B/Eの福利厚生ポケットを狙ったサービスが中心です。
投資先のエアウィーヴとCRAZY社の取り組みも記事の中で取り上げていただきました。
エアウィーヴは寝具に加え睡眠計測アプリも提供しておりますが、この計測アプリを使ってCRAZY社の従業員の睡眠時間を計り、よく寝ている社員にポイントを付与するという、”睡眠報酬制度”の試みです。
5ヶ月の運用期間で平均睡眠時間が30分伸びたとのことです。
https://www.google.co.jp/amp/s/ascii.jp/elem/000/001/827/1827992/amp/
どの社の試みも、睡眠状況を可視化し、それを元に良い睡眠となるよう心がける、というシンプルなアプローチですが、それだけでもかなりの効果が見込めるようです。サイエンスの視点で切ると、スリープテックは美容商品と似ているな、と感じます。
示されるエビデンスが非常にソフトで、統計学的な検討が十分されていないにも関わらず、その「エビデンス」を用いてなんとなく科学的に消費者を誘導し納得させる傾向。それが人々に常識のように捉えられて、人から人へと語られていく傾向。これらは美容商品にもスリープテックにも共通した特徴です。
他の健康問題への介入に比較して「副作用」の少ない介入ですから、エビデンスの誤用を罰する必要性は少ないのかもしれませんが、多くの方に問題意識があるにもかかわらず、その検証が十分でない領域であることは認識しておく必要があるでしょう。
特に「健康」への効用をうたっていたとしたら、医師としては非常に強い違和感を持ちます。「極上のスマート」を求める方は、懐疑的な目で物を見る必要があるかもしれません。ANAには従業員向けの秘伝の時差ぼけ対策があって、それをもとにアプリを開発したのだと思い込んでいたのですが、完全に違いました。みなさん我流で、ときには気合いで時差ぼけを乗り切っているようです。
時差ぼけもシフト勤務の問題も、体内時計が狂うことで生じるものですが、コレといった明確な対処法はなく、食、運動、光、睡眠という体内時計に影響を及ぼす基本の要素に丁寧に向き合うしかないようです。なんでもテクノロジーで手っ取り早く解決しようとするタイプの人間としては、少し残念ではありますが、これが最も自然な対処法なのでしょう。
「シフト勤務対策の難しいところは、従業員が実践してくれないこと」。取材に協力してくれたある医師はこう話していました。自然な対処法が、実は一番難しいのかもしれません。