【今週末選挙】選挙に行く本当の意味を知れるマンガはこれだ!
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シングルマザーで必死に子どもを育てる母親は、ブレーキの効かなくなった長男のようにならないよう、9歳の立花春人(たちばな・はると)をしつけます。
働いてもよくならない生活ゆえに、周囲から偏見の目が我が子に向けられ続けることに耐えられる親はいません。 余裕のない生活と子どもへの愛情は、ときに過剰なしつけに発展します。
裸にして、トイレで鞭打ちをするのも、我が子を愛するがためのこと。
子どもにとってそれは母親の〈愛情の形〉として受け継がれていきます。
母親だけではありません。
暴力によって仲間や家族を守り、その暴力によって家族を傷つけ、自分を追い込んでいく兄の姿は、見るに堪えられません。
単純に乱暴な人間だと切り捨てようにも、兄が生まれ育った環境を見れば、その暴力性や粗暴性は生来のものではなく、環境によって作られたものだということが理解できます。
その理解があれば、環境を変えることによって他者とのコミュニケーションを暴力以外の形で行えるようになるはずです。
シングルマザー家庭であること。
近くに寄らないでほしいと陰口を叩かれること。
誰からも期待されないこと。
「強さ」なくしては生きていけない時、ひとは身に付ける強さの性質を暴力でコーティングするのかもしれません。
毎日のように兄から暴力を受け、母親から虐待されている反面、それでも自分に愛情を注ぎ、守ってくれている家族。
春人にとっては殺してやりたいほど憎い存在です。
同時に、家族に守られている自分の無力さを責め、やがて「何も期待しない」ことで自我を守るようになります。