起業家たちの心の闇、華やかなIPOの裏側
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IPO後の起業家のストレスの原因といえばとにかく株価。例え業績が伸びていても、IPO時に成長期待値の方がはるかに高いと、いずれは株価が大きく下落して株主から非難やプレッシャーがかかります。会社だけでなく、社長本人も急にパブリックになるため、SNSや掲示板のひどい書き込みへの耐性が追いつかず精神的に参ってしまう人もいます。
ストレスから逃れるために夜な夜な街に繰り出して酒を飲んだり、買い物、投資などの散財でストレスを発散するケースも少なくありませんが、私の周りではせいぜい半年から1年ほどで精神の落ち着きを取り戻し、株価や株主に向き合う経営者が多いように思います。根本的に解決するにはやはり株価や業績を上げるしかないし、ほとんどの経営者はどんなにプレッシャーがかかってストレスを感じてもやはり経営や事業が好きで、この記事ほどにひどい状況の人はあまり見たことがありません。これは世の常ですね、どの国でもそうです。
ただし日本はこの記事ほど酷い例は少ないように思います。
理由はマザーズ市場はそもそもがボラティリティがあまりにも高くそれが常態化している事、個人株主のネット上の書き込みなどはあるものの、実態として資本市場から経営者へのプレッシャーが米国に比して高くない事、それゆえ経営者が自ら辞任しない限りは業績によって退任に追い込まれるというのは稀な資本構成、商環境であること、などでしょうか。起業家はどんなに素敵な余暇を過ごしても、業績が悪ければバカンス中でもメンタルはどん底だし、その業績が常に安定することはあり得ないし、スタートアップの場合は一瞬先すら闇だし、 とにかく業績に勝る薬が無いから辛いんだよね。だからと言ってそこから逃げたら楽になるわけではなく、そうして無間地獄にハマって心がヤラレる。で、統計的見ると起業して10年残るのはまあ1割程度だから9割はおそらく業績の不調でやめていくと考えると、メンタルの業績依存主義はやっぱり健全であるはずが無いということになる。答えを見出すのは難しいんだけど、1つの提案はワークスタイルたげではなくライフスタイルへの切り込みだろう。数字としての結果を出すというアウトプットに強いコミットをしながらも、普段は趣味を含めた生活全体のインプットを意識する。そこはもう禅の世界。みたいなことを毎日考える。イケてる感じの経営者が老若男女に関わらず、趣味のレベルが異常に高かったりするのは、そういうことなのでは無いかと思う。