イラン、ウラン濃縮度20%は「選択肢」 遠心分離機増強も視野
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イラン政府が保有するウランの量や濃度は、常に公開されているわけですが、これはイランが国際原子力機関(IAEA)に加盟していて、継続的に報告書を提出しているためです。また、イランは核拡散防止条約(NPT)にも加盟しています。
このあたりは、1994年にIAEAから脱退して、NPTからも離脱した北朝鮮とは事情が大きく異なります。
北朝鮮が核兵器を開発しても国際法に違反したとはいえませんが、イランが現段階で核兵器を持てば、国際的なルールに違反したことになります。
イスラエルのように、「イランはIAEAからも隠して密かに核兵器を開発しているのだ」と主張する例もありますが、核兵器開発のような大がかりなことをIAEAの監視下で行うことはむずかしいと思われます。
イランが核兵器を開発するなら、IAEAとNPTからの脱退という手続きをまずとるでしょう。その手続きをとらないで核兵器を持つことは、非常にリスクの大きなことで、国際的な孤立を招きます。IAEAの監視下で問題にならないことをしているうちは、安全保障上の実質的な力にはなりません。ウラン濃縮度20%は、近隣の中東諸国のレッドラインになり得る。特にイスラエルにおいては、ネタニアヤフ政権が組閣に失敗し、9月には選挙が控えている。ネタニアヤフ氏は従来、強硬派として支持を集めてきたが、現在のイスラエルでは、ネタニアヤフさん以上により過激な政治家が台頭しており、ネタニアヤフ首相としては、イランに対して強く出るしか選択肢はないだろう。イランのレッドライン超えには、かなり警戒が必要だ。