【森永邦彦】新しい価値観は「日常」と「非日常」の間に生まれる
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連載2回目は、ファッション業界で、最も言動が注目される一人「アンリアレイジ」の森永邦彦さんです。某人気ドキュメンタリー番組に2014年に登場し、多くの人に存在を知られることになりましたが、今回は彼のクリエーションの源泉を探りました。
「日常」でもなく「非日常」でもない立ち位置だからこそ、創造的で新しいモノが生まれる。細かい手仕事とテクノロジーは一見相反しているようで、森永さんの中では全くブレておらず、この両立はいかにも日本人的であります。
パリコレ進出から5年が経とうとしていますが、今でも日本のファッション業界を切り開いています。最近だと、ファッションコングロマリットLVMHが創設した「LVMH プライズ」の、2019年ファイナリスト8組に選出。グランプリを獲得したデザイナーは賞金30万ユーロと、LVMHのエキスパートによるコーチングを1年間受ける。去年、日本人が初めてグランプリに選ばれており、今年獲得すれば2年連続の快挙です。アンリアレイジのショーは、ファッションショーの意義も考え抜いた上で構成されています。
静止画で見るよりも動画で、動画で見るよりも生で見た方がテクノロジーが映える。
まずは静止画で、続けてYourube、最後は店舗へ出向いて、そのクリエイションの一端を感じられれば。
HP http://www.anrealage.com
YouTube https://youtu.be/-MP3M9DMTlcアーティストよりのデザイナー思考の感触があります。
師である神田恵介氏の電車ファッションショーは、ストリートパフォーマンス並みでアーティスティック。
価値が機能によって定まっていない作品が、20万ほどの値打ちで取引されるというのも、こういった世界ではあり得ます。
「一見凡庸な場所も、何かのスイッチを入れることで、スペシャルな場所に変わっていく。それを再現してみたい。では、それを実現するために、自分はどうすれば良いのか。
これが、「日常」と「非日常」を行き交う森永氏のブランド「アンリアレイジ」の原点となった。」
「対極にあるもの同士が交わる、その瞬間に生まれる“ファンタジー”を洋服でつくっていきたいのです。
対極の中心点に自分を置いていると、価値観が簡単に逆転してしまったり、揺らいでしまったり、それが重なったりすることがあります。
つまり『ニュートラル』な状態でいることが、自分のクリエーションそのものだし、そういうことをずっとやりたいと思っていた。だから、自分なりの日常と非日常を、さらに表現していきたい」
「パリでは一定の価値観を継続し、見せ続けていれば、きちんと評価してくれる。
これまで、10シーズン続けたことで、憧れていたパリは非日常な状況から、憧れの先にある日常性をもった場所に変わりました。」
記事の締め方は青汁もびっくり。