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一方、帰国してからは、大学に所属しているものの、メジャーな雑誌を除き、多くの医学雑誌の記事が読めません。
研究は、先行研究の調査からスタートします。そのスタート地点が整備できていないと、実現可能な研究も成立しません。
電子版の高騰化が背景にあるようですが、日本の大学はここに予算をかけねば、自国の研究はまた衰退へと進んでしまうと思います。
仕事と全く関係ないがどうしても読みたいものが出てくるので、ごくたまに自腹で買うことがありますが、(雑誌にもよりますが)最新のものは数ページで4,000円〜5,000円くらいするのもあります。
包括契約となると雑誌数も多いのでとんでもない金額になるのは想像に難くないです。
大学の頃、学生は何も気にせず読み放題でした。あれがいかに恵まれた環境だったか、今頃になって実感。
価格がどんどん上がっていくのは論文数の増加に加え、競争相手がいなくて市場原理が働いてないのが原因と思われるので、例えばオープンアクセス化などが進む事で解消する可能性はあります。
が、有名雑誌に掲載されると引用される回数も増え優れた実績になるのでメリットが大きく、このような環境で全員がすぐにオープンアクセス化に乗ってくれるかというとそれも疑問。
というような話について、下記のNiiの説明が分かりやすいです。
★ 学術誌をアカデミアの手に取り戻す
https://www.nii.ac.jp/about/publication/today/82-4.html
(補足)両方出せば?と思う方がいるかもしれませんが、ジャーナルの世界において二重投稿はご法度です。(出版倫理その他の観点)
★ 論文の二重投稿について知っておくべきこと
https://wordvice.jp/論文-二重投稿-理由/
話を聞いてきた中で、解決策があるなら3つかなと思います。
・研究機関ごとに契約するのではなく国として契約する
多少の値引きは期待できます。それ以上に、研究機関によって読める、読めないの格差をなくすことができます。
・オープンアクセスを進める
読者が買うのではなく、研究者が論文掲載費を支払って読者は無料で読める形式です。ただ、掲載費で稼いで質を保証しない、いわゆる「ハゲタカジャーナル」の問題があります。
・オープンアクセスを義務付ける
2番目と少し似ていますが、税金で行なった研究は国民に還元するという考えのもと、法律として定めてしまうというものです。カリフォルニア州で取り入れられています。
カリフォルニア州の州単位のオープンアクセス義務化
http://current.ndl.go.jp/node/27411
以下は5年前の提案ですが、うまくまとまっています。
論文のオープンアクセス化を推進すべき7つの理由と5つの提案
http://scienceinjapan.org/topics/20140326a.html
(フリーランスとしてはオープンアクセスを進めてほしい……)
お医者さまの無報酬労働の記事を思い出しましたよ
ご参考
https://newspicks.com/news/3610446?ref=user_1506052
https://newspicks.com/news/3365473?ref=user_1506052
Saitou Kazuhiro 先生が仰っているように、みんなタダ働きのはずなんですけどね、、、
すべての論文がopen access として、誰でもただで読めるようになるといいのですが。
米国のカリフォルニア大学全体(UC systems,たとば UC Berkeleyなど)や、ドイツの全大学は、大手出版社のElsevierからの購読を取りやめてたりします。
自分の分野の電子ジャーナルが読めない大学にいると、
その時点で研究を続けるのが難しくなる。
(出身大学の研究グループに参加する等で、なんとか対応している人が多いと思うけど、しょせんは「便法」でしかない)
ところで、
電子ジャーナルの購入大学が減る
→出版社の収入が減る
→さらに価格を上げざるをえない
→さらに購入大学が減る
という悪循環になると思うのですが、
出版社側はどう考えているのだろうか。
この記事も出版社側に取材していない所は、
すこし手抜き?
著作権が手許ある場合は所属大学のリポジトリに登録することでオープンアクセス化できますね。
引用されやすいから大手に、とはいっても、高騰で購読者が減れば、オープンなプラットホームに勝機がないのかな?
投稿者も複数の場所に投稿するのはダメなんだろうか?
まあでも、先行研究ありきの研究とは言え、本当に必要な論文なら、1本単位で購入するか、読める所属機構の人に頼むかすると思うので、致命的というほど悲鳴を上げる研究者はいないのではないかと思いますけどね。
バラ読み、論文探索ができないのは残念ですけれども、まあ事情を知ってる教員・関係者からすると仕方ないよねというのが本音だと思います。