悲報…「少量飲酒は体にいい」説を否定する論文が発表されていた
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記事にあるように「今日の常識が明日の非常識」の世界で、日々新たなエビデンスが出てくるため何が正解かは一概にいえません。
飲酒量による影響を調べようと思っても、おつまみを食べることで塩分過多、カロリー過剰摂取になる影響はぬぐいきれないため、どこまでが飲酒の影響かを判断するのは難しいです。
個人的にはお酒が大好きな人が完全に禁酒した方が、ストレスをたまって不健康なのではと思う面もあります(アルコール関連疾患がある場合は別ですが)。何事も適量がベストでしょう。本記事で採用している論文は、Lancetと呼ばれる医学界の4大雑誌の1つに掲載されたものです。
数多くの研究で報告された大量のデータを集積して統計処理するメタアナリシスという手法を取っていますが、グローバルなデータを統計学を慎重に用いて検討しており、信頼性の高いものです。
しかし、研究の限界は知っておく必要があり、メタアナリシスも元を辿れば限界のある研究の集合体で、どんなに綿密に統計処理をしても、データに偏りが見られてしまうものです。例えば、元の研究は全て観察研究ですから、どうしてもそこに潜在するバイアスを除去しきることはできません。他にも、「少量の」を平均値でとっているため、ごく稀にたくさん飲む方が「少量」と計算されてしまうなどの限界もあります。
また、「体にいい」が何を指しているのかということにも注意をすべきかもしれません。アルコールが健康にとって保護的に働くというのは、例えば適量のアルコールが心筋梗塞を減らす可能性があるとか、糖尿病を減らす可能性があるというような報告に基づくならば、本研究もそれを否定しておらず、同様の結果を示しています。
一方で、本研究では「障害調整生存年数」という指標を最も大切なエンドポイントとしており、そのエンドポイントに対しては少量のアルコールでも増加と関連していました。この結果に基づけば、少量のアルコールも体にいいとは言えなくなります。しかし、「障害」の内訳をみると、病気だけではなく、暴力や転倒によるケガ、交通事故などもその要因に含まれています。アルコールが体にいいと言う時、ケガをする可能性も含めて想像される方はいるでしょうか?おそらく心臓のことなどを想像する方の方が多いかもしれません。
私はこのような論調をもって、アルコールが良いと言いたいわけではありません。実際、本論文は、適量飲んだ方がいいのではないかという風潮に一石を投じる意義の高い報告です。しかし、全ての研究に限界があること、証明したいエンドポイントの切り口によって結果は変動しうること、そしてメデイアの表現の仕方によってそれはいかようにも拡散されていくことは認識しておいても良いかと思い、コメントをしました。以前lancetで報告された論文ですね。
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(18)31310-2/fulltext
以前より少量のアルコールは循環器系疾患に良い効果がある。一方で癌や肝障害のリスクがある。結局少量のアルコールが体にいいのか悪いのかというのを明らかにしたのがこの論文です。
結論としては少量のアルコールでも発がんリスクが循環器系への良い効果を上回るという結果でした。
多くの医師は何が体に悪く、何が良いのかを知っていますが、お酒を一杯飲む人もいますし、タバコを吸う人もいます。実際私もお酒は飲みます。
知識と行動は必ずしもリンクしません。
人生をどのように生きるかは自分で決めることだと思います。
ボヘミアンラプソディーでフレディーマーキュリーが言ったセリフはとても印象的でした。
“I decide who I am”