【シェリル・サンドバーグ】「モバイル・ファースト」への強制シフト
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注目のコメント
“もう一つ私たちがラッキーだったのは、マークがFacebookの支配株主だったことです。おかげで私たちは長期的な戦略を維持することができました。当時は上場したばかりで、短期的な業績や広告の実績は、多くの投資家を落胆させたと思います。”
さりげない語り口で、思わず読み飛ばしてしまいそうですが、モバイル移行の間、株式市場からのプレッシャーは本来、相当のレベルだったはずです。
フェイスブックの上場時の2012年5月に38ドルだった株価は、3ヶ月後の8月には18ドルへと、半分以下に落ち込んでいました。上場時の株価に戻ったのは、さらに1年後の2013年8月になってからです。(そこからさらに6年近く経った2019年7月時点の株価は200ドルを超えています。)
そのプレッシャーに耐えられた理由を「マークがFacebookの支配株主だった」からと述べています。あまりにもさりげないため、株式の51%を過半数を保有していると誤解してしまいそうです。
実際には、Facebookの株式は、A種株式とB種株式の分かれており、B種株式は1株で10票の議決権があります。そして、2018年時点でもマーク・ザッカーバーグはB種株式の79%を保有しているため、議決権全体の53%を持ち、「支配株主」となっているのです。
https://www.investopedia.com/articles/insights/082216/top-9-shareholders-facebook-fb.asp未来の物を売るほど難しい営業はありません。
「一年後にスタンダードになります」
「じゃあ一年後に買うよ」
となるのですから。facebookのモバイル移行は本当に大変だったと思います。でもその後に続くスタートアップにとって勇気を与えてもくれました外部環境の変化が激しくスピーディなVUCAの時代において、経営戦略の抜本的な変更はよくある話になるだろうが、そのとき宣言だけしても何も変わらない。変わるはずがない。
経営者の見ている世界と、現場が見ている世界は異なるからだ。
戦略を変えたいのなら、その戦略に合わせたオペレーションまで変えなければならない。日々の判断基準や判断方法を新しい戦略に合わせなければならない。
人はそう簡単には変わらない。変われないのだ。人間は日常的なルーチンワークをこなすのに適したつくりになっている。そこに組み込まれたものを、たった一回の全体会議だけで変更するのは不可能だ。
だったら、オペレーションに組み込んでしまえばいい。ルーチンに組み込んでしまえばいい。そうすれば戦略は否が応でも浸透する。逆を言えば、そこまでやり切らなければ戦略は浸透しきらないのだ。
QT:
"マークは――今も何かをリセットしたいときや、重要な方針を確認したいときにはそうするのですが――、全社会議を開きました。そして「Facebookはモバイル・ファーストの会社になる」と宣言したのです。素晴らしい決意表明でした"
"翌日、何が起きたと思いますか?何も起きなかったのです。"
"エンジニアにシフトを強制することで、会社全体にシフトが起きた"
"マークがFacebookの支配株主だったことです。おかげで私たちは長期的な戦略を維持することができました"