ミドリムシから家畜などの餌の原料作りを事業化へ
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一昨日には理研との共同研究でミドリムシにゲノム編集することにも成功しています。
ミドリムシでの高効率ゲノム編集に成功
-バイオ燃料生産などに向けた有用ミドリムシ育種へ期待-
http://www.riken.jp/pr/press/2019/20190617_1/
応用だけでなく基礎研究もしっかりやっているので、長期的に見ればかなり強くなりそうです。
色々広げているようにも見えますが、そう簡単に真似されるようなものではないので、どれか1つでも当たれば市場でかなり優位に立ち回れそう。家畜餌や養殖魚の餌は、穀物価格の高騰や、魚粉価格の高騰などにより、他の供給源を求めており、その方法として様々な検討がされています。
ミドリムシの栄養価に関しては、北岡正三郎 〝ユーグレナの生理・生化学′′、学会出版センター (1989)に詳しいようだが、下記リンクでおおよそわかる。
ユーグレナはどこまで高栄養食源として貢献し得るか
―その機能と応用―
https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/91/5.6/91_323/_pdf
様々な栄養素が含まれるのはわかるが、家畜用の機能性食品として、どの様に評価できるのか、他の飼料に対してコスト競争力があるのか、CO2キャンセル効果をどの様に社会的に評価するか、など、かなり複雑な問題となる。
この事業はユーグレナありきなので仕方ないが、例えばタンパク質供給というなら、エビやワームなどの方がミドリムシに比べて生産性が高い可能性もあるし、私がやっているコオロギなどならば、生き餌として高付加価値に販売しつつ、在庫分を安価に飼料向けに流すことも可能で、そうした競合に対するユーグレナの優位性がどの程度あるか、ということになる。火力発電から生じた二酸化炭素をどう処理するか、というのは課題だと思いますが、ただ地中に埋めようというよりは、ミドリムシの成長に使った方がビジネス的には良いのかもしれない。少なくとも現状では。
今後の流れとしては2つ気になります。
1つ目は火力発電から排出される大気の約20%が二酸化炭素で、硫黄酸化物や窒素酸化物なども含まれていることがミドリムシの成長阻害になっていたようですが、それをどこまで克服できるか。2つ目はそのようなガスから作るミドリムシが食用として安全で生物濃縮の危険性がないことを説明できるか。