【最終話・ザッカーバーグ】Facebookはコミュニティを再建する
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2年以上前のインタビュー。因みに2019年の目標は『2019年の目標が「社会におけるテクノロジーの未来ー機会、挑戦、希望、懸念などーをテーマにした公開討論を開催すること」』
https://www.google.co.jp/amp/s/jp.techcrunch.com/2019/01/09/2019-01-08-zuckerberg-talks/amp/
より社会との向き合い方を考える方向に。Facebookが何者なのか、何をしようとしているのか、端的に「コミュニティをつくることだ」と語られている貴重な内容だった。
しかし、ここでいうコミュニティとは、単なる人の交流の場ではない。伝統的な共同体の意味である。
ドラッカーの言うように、コミュニティは社会の中で人々に役割を与えるものであり、またジェローム・ブルーナーが述べるようにコミュニティは人々に伝承された物語を通じて意味をもたらす。
ある意味で、コミュニティの重要性への言及は、新しいものを生み出したと言うよりも、本来人間社会が大切にしてきたものを新しいテクノロジーによって守っていこうということなのかもしれない。
かつて政治学者ロバート・パットナムが『孤独なボウリング』で書いたように、アメリカのコミュニティは解体されていっている。この中で大衆化による社会の退廃が生じている。これを立て直すのがFacebookの役割だということだろう。しかし、それは過去のコミュニティではなく、新たな関係性への参加を通じた自分の発見という新たなコミュニティの生成だろう。
そして、宗教の価値についての言及は極めて興味深い。ザッカーバーグは、近年自分のルーツとしてユダヤ人であることについて、肯定的な発言をしているが、まさにそうした伝統の中に自分を位置づけることで自らを見出したのかもしれない。
Facebookとは、マーク・ザッカーバーグとは何者なのかが極めてよくわかり、大変興味深い記事だった。コミュニティの再建を掲げてるFacebookだけれども、皮肉なことに、機械学習によってレコメンド機能が強化された先に広がるのは、『個々人が、各々見たいものを見る。近しいもの同士が固まる』社会であり、それはある意味、コミュニティが分断された世界ではないでしょうか。
トランプ大統領が、多くのアメリカのエリート層の予想を裏切って当選した事実からも裏付けされているこの事実に対して、どのような打ち手を取っていくのか。とても興味深いです。