TSUTAYA、出版社から書籍を購入し販売する「買い切り」方式導入へ 出版流通の変化加速
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再販価格の維持をしたまま、TSUTAYAの800ある店舗網の強みを生かして買取方式か。なるほど。
何でもやの僕は、かつて、電子書籍流通を取扱う会社をやっていたこともある(笑)その頃にわかったことは、本は流通網で売る。って事。
端的な例がコンビニ売りの本。
内容はライトなものに限られるけれども、コンビニ流通に乗る本なら、つまらないものでも発行30,000部とか普通にある。一般的な書店で売られる本だと、初版が3,000部~4,000部しか出ないところをだ。
この理屈は簡単で、大手コンビニだけで50,000店を超えるんだから、1店舗に1冊づつ配本して、たとえ返品が4割あったとしても、30,000部とかはさばけるよって寸法。
本の返品は自由で、返品率が4割っていうのは平均的な数字。その代わりに書店は、22%程度の粗利益でお店を切り盛りしなきゃいけない。
本は出版社から書店に直接来るのではなく「取次」と呼ばれる。出版流通会社を通るのが現在は一般的なルートだ。
こうして流通する本は、返品が自由にできるので、売買契約は結ばれておらず、流通委託をしていることになる。そして、その手数料は8%程度。
その他「歩戻し」とか、ややこしい話があるんだけど、出版社は概ね、実質、定価の6掛~7掛で本を売る商売をしていると言っていい。
そんな所をだ、約800店舗あるTSUTAYA書店のラインナップを拡充する目的で、本を7掛けで買い付けると言えば出版社にとってはうれしいかろう。
例えば、新刊が出るたび7掛けで500冊買取るよ。返品率は20%に設定するね。つまり、返品率を相場の半分に想定してコミット額は400冊分よ。
とすれば、出版社にとっては初版の約1割にあたる分を、TSUTAYA 向けに確定できて、現のTSUTAYAは、実質54%の価格で仕入れができることになるから、互いにWin-Winの関係となる。
本は、ロングテールな商材だから、ある程度在庫をしておかないと売れないから、在庫融通ができる店舗網を沢山持つ書店はその点でも有利だ。
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最後に、念のため言っておくと、僕は何でも屋といいながら「流通」と名の付くものなら、物流からデジタルコンテンツ流通から通貨トークン流通まで、いろいろチャレンジしてきたの。その意味ではぶれていないんだよ。
注目のコメント
本屋での売り方に関して、一石を投じているのが六本木の「文喫」。
借りられても店内のみ、買われても1冊補充するだけ、読む場所は飲み物がついて有料課金。
在庫をどうするか?という概念がない。
モノが溢れる時代には体験を提供することが主流。
本屋と紙の本を守るためにできることは買い切りなの?
【追記】
ちなみに店側持ち出しで1巻を無料にすると、2巻以降が有料でも売れて、結果的には全体の売上は1巻から有料売るよりも上がる結果が弊社でも出てます。
続きが読みたくなる仕掛けで売れます。
電子書籍ではこれをやるのに、何で紙の本ではやらないんですかね?
20%を出版社に戻すくらいなら、20%の中でこういった施策をやった方が良いのではないか?
販促費と宣伝費の観点から紙の本を考えてみたらいかがでしょうか?Tポイントでは苦戦を強いられているTUTAYAですが、本屋としては事業拡大を続けている恐らく唯一の大手書店かと思います。
たまに代官山蔦屋に行きますが、やはり本を手に取り探す楽しみは、Amazonで買うのとは違いますね。
蔦屋書店には、頑張って欲しいです。
買い切りは、色々無駄なコストを削減出来ます。
トーハンと日販も事業モデルの限界は感じているはずですので、出版業界全体として良質な本を生める事業モデルを模索して欲しいです。出版というシステムがようやく変わろうとしている。かつては効率が良いシステムだったが、もはや瓦解しているのは事実も同然。
蔦屋書店にはたくさん人が来る。雑誌も本も読み放題で、スタバのコーヒーを飲みながら、滞在している。しかし、その本は買い切りではなく、ほとんどが返品される。
隔たりがあるかもしれないが、かつてパブリッシャー側にいた人間としては、ツタヤが返本できるコンテンツを餌に人を集め利益を得るという構図に違和感があった。英断だとおもう。