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このmicro RNAや壊れた細胞から剥がれ落ちて血中に流れるDNA(これをcell free DNA、がんに特化した場合にはcirculating tumor DNAと呼びます)を血液検査で拾ってくるということが技術的に可能になってきています。そうすると、遺伝子情報を簡単な血液検査から得られるというわけです。
がん細胞の遺伝子は正常細胞の遺伝子と異なるため、この異なる遺伝子の情報をDNAの破片やRNAから解析できれば、がんの存在が血液検査でわかるようになるのです。
2018年現在、がん診断のgold standardは、がん細胞を直接針や手術で取ってくる「生検」という手法です。しかし、時にがん細胞が体の深部にあって採取が難しい、合併症のリスクが高いなどの問題がありました。これらの技術を用いた診断なら患者さんへの負担や合併症のリスクを大幅に軽減できるため、生検の置き換え技術になるかもしれません。また、不正確さが問題視されていた腫瘍マーカーと呼ばれる従来の血液検査を置き換える可能性も示唆されています。
技術的なコストが下がれば、近い将来、血液検査だけで正確にがんの診断、治療効果判定、再発予測などができるようになるかもしれません。
どこまでの臨床的なインパクトがあるかはこれから見定める必要がありますが、一般の腫瘍マーカーよりは検査精度は高いのではないかと期待されています。
(そもそも健診という意味では腫瘍マーカーを測定する意義はほとんどの場合で無意味です)
以前、少しはわかりやすいスライドをがんセンターが公表していたので載せときます。この発表が2014年で、5年越しに製品化・承認申請といったところです。
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2014/0818/NEDO_02.pdf
https://m.huffingtonpost.jp/2013/11/10/cancer-test_n_4252707.html
この技術の真価が問われるのはこれからだと思います。感度と特異度がどの程度かによって検査の有用性がわかります。検査結果が陽性にもかかわらず癌がない(偽陽性)とか、検査が陰性にもかかわらず癌がある(偽陰性)という事がどの程度見られるかがポイントです。
検査をすることは本人の不安を煽ることであるという認識がまだまだ普及していません。腫瘍マーカーは腫瘍の有無にかかわらず上昇する事があるのに、腫瘍マーカーが陽性になってしまって毎日悩んでしまっている方も知っています。
素晴らしい技術である事を期待してます!
望むらくは
実際はクロなものを”シロ”と判定してしまうのは何%なのか?
実際はシロなものを”クロ”と判定してしまうのは何%なのか?
をちゃんと書いて欲しいです。
特に後者では、無駄にCT、MRI等の確認検査を繰り返す事になりそうなので。
>(記事抜粋)4月、厚労省の「先駆け審査指定制度」の対象に選ばれた。…審査が最短6ヶ月に短縮された。
つまり、10月頃には国民皆保険でカバーしてしまうという事か。少なくともカバーは現役世代だけに絞り、高齢者は自費で負担して、現役世代への負荷を避けるべきでしょう。
ちなみに、このニュースは以下の記事の研究が終了し事業化したもののようです。
https://newspicks.com/news/579569
あとはこういう検査をどこに置くか。病院もいいんだけど、もっと街中の日常の導線上で受けられるようにしてほしいなぁ。
「血液が1滴と利用者の負担が少なく、がんの有無の判定精度も95%以上」
「がんができると血液中に増える「マイクロRNA」という物質を検出する手法で、東レはこれを検出する遺伝子解析チップを開発した」とのこと
基本的に一般的に言われている血液の(いろいろな)癌の値は、ある程度高値でないと疑うまでにはいきません。大抵の場合、血液検査でわかるような場合だと症状がなにかしら出ている場合があります。
ただ、膵臓がんなど症状がほぼない場合においては、早期発見のメリットがあると思います。
ただ、一滴の検査で数万円使うなら、胃カメラなどの必要な検査をきちんと調べた方が確実だとは思いますが。
血液1滴なら負担がありません。今まで検査に行けなかった人も検査できれば早期発見につながります。とても楽しみな技術です。
純粋に健康管理としても、こういった保険関連においても、ガン診断のハードルが下がることは非常に有り難い。
他にもこんなのもあります。
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