NASAの火星用ヘリコプターが2020年のミッションに向けて最終テストへ
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火星の重力は地球の約1/3.よって揚力は1/3で良いが,大気密度が地球の約100分の1しかないため,翼やプロペラの効率が落ちる.Re(レイノルズ)数は10^4オーダー(普通の有人旅客機のRe数は10^7~10^9程度)と非常に小さい.これは粘性の効果が大きい流体であることを意味する.また,火星での音速は地球の約3/4と小さいため飛行マッハ数は大きくなり,低速でも高亜音速から遷音速になり,衝撃波が発生する.おそらく,薄いプロペラを高速で回転させないといけない.
日本ではJAXA(宇宙研)が,高層大気が火星大気に似ているとして小型無人航空機による飛行実験を昨年,行いました.
「火星探査飛行機開発へ上空35キロメートルで実験 JAXA」
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGG28H4C_Y6A520C1TJM000/
大気球で無人機を上げて落下させて飛行させる.結果は...これ、僕も概念設計の時にほんの少しだけ手伝いました。
手前味噌ながら超超楽しみです!Mars 2020 Roverに相乗りして火星に行き、ローバーのお腹から産み落とされるように展開します。そして史上はじめて火星の空を飛びます!!
ちょっとしたエピソードを。どうやってこのプロジェクトが始まったか。5年ほど前、当時のJPL所長のチャールズ・エラチが、うちのセクションの見学にきました。で軍向けのプロジェクトでやってたドローンの研究を見て、思いつきで「これを火星で飛ばせないか」と質問したのです。するとその場の誰かが「ボブが20年前に研究した」と言いました。即、所長の裁量で使えるお金からボブのグループに予算をつけてくれて、Mars 2020 Roverに搭載するための検討が始まったのです。その後しばらくはJPL内部の資金で開発し、後にNASAの資金によるプロジェクトに以降、数々のゲートをクリアし、確か1年くらい前に正式に搭載が決まりました。
NASAは官僚的組織ではありますが、こんな風にトップの鶴の一声で事が迅速に動くこともしばしばあります。I wrote an article about "Mars Helicopter" for CNET Japan.
NASA、火星にヘリコプター型の探査機を送り込む計画--2020年7月打ち上げ
https://japan.cnet.com/article/35119189/
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