がんゲノム医療 遺伝子を迅速に解析する技術を開発
コメント
注目のコメント
がん細胞の遺伝子を全て調べるという診療は、今後より安価により迅速にできるようになると思います。がん細胞の遺伝子を正常な細胞の遺伝子と比較することにより、遺伝子のレベルでどんな異常が起き、がんがどう発生したかをうかがい知ることができます。
現状では、特定の遺伝子をターゲットとした薬剤というのは、限られたものしか入手できない状況ですが、今後遺伝子情報が蓄積されることにより、無数の薬剤開発につながると思います。
その最終形がいわゆる「個別化医療」ということになりますが、そのような世界を想像すると、胃に起きたがんを胃がんと分類するようながんの臓器による分類の意義は薄れ、どの遺伝子異常によるがんかという遺伝子による分類の意義が高まることになるでしょう。
この場合、例えば肺がんは肺が専門の呼吸器内科で診療するというような、臓器ごとに縦割りになっている日本の専門家では対応が難しくなります。すなわち、その治療にあたってはがんや遺伝子について臓器横断的に診療ができる専門家の育成が急務となります。しかしながら「腫瘍内科」と呼ばれるがんの専門科は米国では一般的ですが、日本には残念ながら根づいていません。技術の応用にあたっては、そのような構造の改革も必要とされるでしょう。映像に出てくるロボットは「まほろ」というもので、産総研発のスタートアップ起業が開発したものです。
https://unit.aist.go.jp/ictes/tmb/interview16.html
国内のいろんな研究施設に導入されており、今まで人間でしかできなかった小さな器具の取り扱いもできるようになっています。人間よりも動きの「ブレ」が少ないので、ミスが少なくなり、コンタミ(ゴミや人間に付着した微生物の混入)の心配もかなり少なくなります。
遺伝子を含めたバイオ関係の研究はかなりの手作業で、意外と人件費がかかっています。今回はまほろを使って自動化することで時間と費用を抑えているのだと思います。