『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』 トランプ氏が反対するもの全てがここに
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この映画のことは知りませんでしたが、いつ訪れても広大なスペースと膨大な数の座席を、様々な人種の老若男女が入り混じって埋めつくしている、にもかかわらずニューヨークとは思えないほど静かで落ち着いた空気が流れている、特別な空間だと感じていました。
人種や年齢にかかわらず、皆がそれぞれの目的に向かって静かに学びを進める独特の空気感は、そこにいるものの学びへのエネルギーをさらに高みへと導きます。
また、英語以外の言語に対応した移民へのサポート、職探しを手伝うようなサービス、無料で図書館の本を自宅から離れられない寝たきりの方や学校などの教育機関へ郵送する仕組みなど、図書館を飛び出して社会へ向けても多様なサービスを展開しています。教育とはあまり関係がないですが、ここで結婚式を挙げる方もいます。
このような社会貢献がひいては多額の寄付を生むのかもしれません。
この図書館の特殊性は、もちろんこのような図書館の取り組み自体の貢献もあると思いますが、ニューヨークに生きる人々の特殊性、図書館を構成する人々が生み出す空気感にも、大きな貢献があるように思います。
映画も、そのようなところを描いているのかもしれません。図書館ほどリベラルを文字通り体現する場所はない。図書館は単に本を貸す場所ということではなく、どんな本にも…禁書も含めて…ほぼ誰でも触れられる、つまりどんな意見や知識にも誰でもが触れられる場所だから。
ニューヨークの図書館には本当にお世話になった。ことに10年前は。パフォーミングアーツの図書館ネットで楽譜があるか調べておいて尋ねてコピーして帰る。しかし今はIMSLPがあるのでネットで完結する。archive.orgもあるので本も…
リアルである図書館には、より一層自己のアイデンティティが問われる時代になっている。リベラルとは何か?本を所蔵して貸す以外のリアルである事を生かしたリベラルであることの表現は何か?どんな体験を来訪者に提供すればそれが達成できるのか?
だからますます今図書館は面白いのだ。さて、日本の図書館はどうだろうか?
「図書館は民主主義のための偉大なる機関。恐らく、ある状況において最も民主的なのではないか。」図書館=本を貸すところ、という概念が変わる映画。フレデリック・ワイズマン監督はインタビューで「この図書館は、トランプ大統領が反対するすべての価値観を体現している。オープンさや民主主義、理解、学び、教育、あらゆる人種や民族、ジェンダーへの寛容を表している。この映画は暗示的に、トランプが異議を唱えるすべてを表すこととなった」と、語りました。