【冨山和彦】令和の時代、社長の選び方も新時代へ
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注目のコメント
"「破壊的イノベーション力」をドライブするのは、組織の多様性×非連続性"
私自身、大学院修了後に国会議員秘書、ベネッセ、グリー、リクルートと転職してきましたが、その点リクルートは面白い文化を持っていると感じています。
リクルートでは、1982年より新規事業を創造するシステムとしてRING(Recruit innovation Group)が創設されました。1990年にはイノベーション(新規事業)案件に特化して「New RING」となり、数々の事業が立ち上がっています。「スタディサプリ」もその一つです。
破壊的イノベーションを起こすには、組織の多様性や非連続性の他に、挑戦しやすい環境や失敗することを許す文化が醸成されていることも重要です。「文化」と書いたのは、その考えが単に上層部だけで共有されているのではなく、きちんと社員に浸透していることを表しています。
事業提案が初めての人にも、いろはを教えるプロセスもあり、とにかく応募するハードルが低い。今日は、教育領域に関心のある社員向けにイベントがあり登壇します。QAセッションもあるので、どのような質問が出るか楽しみにしています。
※New RING
新規事業提案制度「New RING」が24年ぶりの大幅リニューアル ITイノベーションに特化した「New RING ‐Recruit Ventures‐」をスタート!
https://recruit-holdings.co.jp/news_data/release/2014/0401_7535.html柔軟で勇気ある社長。
前例踏襲で改良を続ければ、成果が予測しやすくてリスクを回避できる。そして、成果が出るときに担当者でいると出世する。
いわゆる「ライトプレイス・ライトタイム」サラリーマンの出世の秘訣。多様性×非連続性なんて、リスクも大きく、成功の保証もない。正反対の考え方です。
多様性を受容する柔軟さと非連続なことにチャレンジする勇気を持つ。サラリーマン社長の課題ですね。大企業の新規事業ないし新規事業部門運営のコンサルをやらせていただいていますが、暴論を掲げるなら大企業に「新規事業は創れない」というのが一定の結論。その理由は、本稿にまさに書いてある通り。
漸進的イノベーションは、オペレーション力こそが重要で、それは圧倒的に日本企業は強い。なんなら日本は小学校から大学までの教育、そして新卒一括採用から入社時研修まで一貫して、オペレーションにとって優秀な人材を育成する仕組みを国家として作り上げた。兵隊であり、歯車を大量生産している。それが日本の高度経済成長を支えた。
破壊的イノベーションにおいては、「個性」こそが重要だ。イノベーションは、たった一人の閃きと妄想と行動力によってのみ、0→1が生まれる。逆を言えば、アイデアは大勢でディスカッションしても生まれない。何故ならば、「みんなにとっていい」は「みんなにとってそこそこ悪い」という「落とし所」にしかならないからだ。
だから、ガラケーはどの世代にとっても使いやすく素晴らしいモノであったが、スマートフォンは生まれなかった。イノベーションとは一部を切り捨てて、未来を切り拓く行為でもあるからだ。
その組織と人材に求められる力の変化に気づき、抜本的な改革を断行しなければ、大企業が新規事業を創り出すことなど、まずできない。
QT:
"外見的には温厚かつ真面目な方で、社内の反応や世の中の評判を気にする人が多い"
"難しいかじ取りの時期、特に社内外に大きな波風が立つような厳しい決断を迅速にしなくてはならない局面で慎重と言うか、逡巡する"
"意思決定の適時的確性よりも関係者間の調和を優先"
"意思決定の手順、中身、タイミングを調整してしまう"
"その結果、時機を失うばかりか意思決定の中身も曖昧になってしまう"
"要は問題先送り"
"自分の任期中は無難にやり過ごすパターンを歴代繰り返す"
"不作為の暴走"
"かつての日本企業の強みはオペレーショナルな力、現場力"
"新卒から社長、取締役会まで一貫的な終身年功制に裏打ちされた同質的で連続性の高い組織特性、人材群と相性が良かった"
"「破壊的イノベーション力」をドライブするのは、組織の多様性×非連続性"