機械受注、2四半期連続減 4─6月見通しは15.7%増=内閣府
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月次データでは2か月連続増加も、四半期で見ると2期連続マイナスですから、少なくとも昨年度後半の機械受注は減少局面にあったといえるでしょう。
しかし、4-6月期の見通しがやたら強いのには驚きました。
3月の中国景気指標の改善で、世界経済の先行き不透明感が後退したことが影響しているのかもしれません。
ただそうであれば、5月以降の米中摩擦再燃で確実に不透明感が高まりましたので、強気な見通しは下方修正含みかもしれません。ある製造業のプロジェクトで工作機械について調べた時、実は先進国では、GDPが下がるちょっと前に、販売量が増えるという相関がありました。
景気悪化による売上減を見越して、自動化への先行投資によるコスト削減を進めようとする企業意図と読み取ってます。売上トップラインが下がっても収益性はなんとか維持してきたるべき再成長に備えようとする、理に適った意思決定だと思います。
ここでポイントは、中国を先進国として捉えるかどうか。
〝中国製造2025〝を掲げ、これまで青天井で成長を続けてきたものづくり大国の中国ですが、先進国ととらえる(というより、デジタル化含めてもはや都市部は世界最先端ですが、、)ならば、今後は景気の浮き沈みがグローバルに大きな影響を与えます。
そういった文脈で捉えた場合、日本のお家芸である工作機械、機械部品メーカーはこれからどうするべきか?
量から質への産業構造の転換は不可避と考えられるため、所謂、モノ売りからコト売りの流れを更に加速させることに迫られてます。
具体的には、単に機械を販売するだけでなく、アフターフォローやメンテナンスサービス、顧客の注文業務の削減・代行・簡略化、輸配送の請負等のサービス化など、サプライチェーンを長く捉えて、顧客の面倒くさい業務に対して、何とか知恵を絞ってマネタイズできる事業化をしていくことが必要です。
しかしながら、ここの分野のマネタイズには時間がかかります。
何故なら、顧客にとって面倒くさい業務ではあるものの、日常の仕事の一部となっている為、変化を嫌う若しくは仕事を奪われるという思いから、便利なのはわかっていても、受け入れて使い出すのに時間がかかるからです。
そのため、こういった分野への新規事業によるマネタイズには、「時間とお金がかかる」ということを認識しなければならず、胆力を要する実行の継続になる為、本質的な意思決定は経営トップにしか務まらず、No pain, no gainの精神で挑むことができるかどうかが、今後の日本のものづくりのの分岐点になると考えます。