旭化成も住友化学も…広がるAI活用の素材開発の効果
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本文のプロセスとは少し異なりますが,物質・材料を設計製造する過程の最適化を狙った「プロセス・インフォマティクス」が注目されてますね。従来のマテリアルズインフォマティクスよりも少し視座が高く,統括的にデータ科学を利用していこうという取り組みです。
例えば,物質合成課程に各種センサーを張り巡らせ,合成プロセスを定量的に理解することで,得られたデータをインフォマティクスで回すというイメージでしょうか。ベイズ最適化による合成プロセスの最適化と合わせることで,「データベースを活用した物質予測」から「予測された候補物質から本当に有用な物質の絞り込み」という点に重点を移すことが可能になると思います。
ただ,このプロセス・インフォマティクスも曖昧な広義な定義なので,これからポスト・マテリアルズ・インフォマティクスとして実例とともに議論が盛んになっていくかと思います。
以前も載せたような気がしますが,AI材料探索に関してこちらのワークショップレポートが大変興味深いですので,併せてご参照ください。
■多様な安定相からの高機能材料の創製
https://www.jst.go.jp/crds/report/report05/CRDS-FY2018-WR-11.html利用可能な分野がどんどん拡大してきてますね。
基礎物性もそうですが、「接着」「耐久性」とか「生体毒性」みたいなマクロ寄りの物性も推測できるようになると助かります。ほんと助かります。
また材料を組み合わせて所望の特性得るための処方も職人技的なところが多く、AI化が望まれているところです。しかしこういう属人的な仕事ほどデータベースとして使えるほど綺麗なデータが揃ってないという。
人ごとではないですね。
僕も勉強しないと。只今絶賛MI勉強中ですw
気づいた点を挙げますと、物質・材料データベースが無いと始まらないところは有りますが、近似方法が色々有りそう。陽子・中性子は動かないとするボルン・オッペンハイマー近似はデファクトスタンダート。この辺りはいろいろな材料系を数式で記述するためのテクニカルな部分。
Yamazakiさんもご指摘されているプロセス・インフォマティクスは、従来のシミュレーション系で、スケールはより大域で微分の世界。
あとは(認識が間違っているかもしれませんが)、第一原理計算といっても演繹で押し切れない。経験データが不要であれば、コンピューター上でマルチスケールの原子、分子、バルクの非構造的特性がすべて記述出来てしまうので、これは計算能力とは別の世界認識の問題でしょう。
材料系を記述した後の物質探索と考えると、ここはベイズ最適など計算屋さんが本領を発揮する領域といったところでしょうか。
またNIMSの金属、無機材料データベースは既に有償利用が可能となってますが、有機材料データベースは昔懐かしい産総研のOCTAを使うのかどうか。ここは統合されてないようです。