現代社会とコンクリート
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注目のコメント
書きました。
「いちばんやさしいコンクリートの教科書」ですが、今日からいわゆる「本論」の部分を書いていきます。セメントの硬化とかそういう理系的な話をする前に、コンクリートの立ち位置を文系的な側面から明らかにしていこうと思います。
今回のコンテンツは以下。
・コンクリート・セメントの消費量
・コンクリートはどこへ消えたか
・コンクリートの流通と価格
・生コンクリートという産業
・まとめ
・今日のコラム:コンクリートと食べ物について
次回テーマはたぶん歴史の話(気分で変わります)。
【いちばんやさしいコンクリートの教科書 ~目次とひとりごと~】
https://newspicks.com/news/3857337コンクリートについて調べたことはないのだが、建設需要が多いという点で、消費量の傾向について鉄鋼と一定似ているところがあると思う。
国の成長フェーズとして、第二次・第三次産業が伸びていくときには、様々な国のインフラが整備されていく。その段階では、対GDP比で鉄鋼消費金額が多くなる。日本でなら田中角栄の列島改造計画とかがそれにあたるフェーズ。
そしてそこでの投資をもとに成長するが、そのインフラはある程度使い続けることができるので、対GDP比率では低下をしていく。比率だけでなく絶対額でも低下する場合がある、特に鉄鋼の場合は国内の鉄鋼蓄積が増えて高炉→電炉にシフトする。同じような傾向が、たぶんコンクリートでもあると思う。
時系列推移まで見れないのだが、下記資料のP31などが鉄鋼だとある。
https://www.nipponsteel.com/ir/pdf/ns_jp_pre_2009_all.pdfこちらの記事では、歴史的な内容、学術的な内容が主になるかと思います。
では、建築では実際にどのようにコンクリート工事が計画され、どのように使われているのか、建築の技術的な観点からコメントします。
コンクリートを施工する場合、漠然と材料を調合するわけでは当然ありません。
プラントから出荷されるコンクリートには、目標の強度(調合強度)があります。
では、この調合強度はどのようにして決められているのか。
まず、設計者が構造設計する際に採用する「設計基準強度」と建物を何年使用する計画なのか計画供用期間から求められる「耐久設計基準強度」を比較します。
その大きい方の値が、構造体が最低限守らなければならない強度「品質基準強度」です。
品質基準強度に気温による強度の補正値である「構造体強度補正値(S値)」を加えます。
これが「調合管理強度」になるのですが、これまでの流れをみてわかるとおり、調合管理強度は品質基強度に割増ししています。
更に調合管理強度に、使用するコンクリートの圧縮強度の標準偏差から求められる二つの式から算出する大きい方の値が、プラントが目標とする強度である「調合強度」です。
このように、最低限守らなければならない強度から、割増しの割増しで出荷する強度が求められており、ある一定の安全率があることが理解できるかと思います。
このあたりは、建築の施工の基礎の基礎でもあるので、一級建築士を受験される方は、押えておいてください。