空の革命狙うブラジル旅客機メーカー、エンブラエルの野望
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注目のコメント
ブラジルではリープフロッグがガンガン起きますから空のモビリティでもドローン含めてあっという間に日本を追い抜いて行くでしょう。というか、実稼働レベルではもう日本抜いてるかも。
というチャンスがあるのになかなか日本からの投資は難しい。よくわからないから、とか言ってないで、ちゃんと情報収集して検討すべき。他の国のことはよくわかった気になって投資してるけど、実際現場で話聞くとやっぱりよくわからず投資しているケースは多い。
ということでまずはブラジル来てください。そういうフットワークのあるところがチャンスを手にできるのはいわずもがな。エンブラエルは世界第3の旅客機メーカー.戦後,ドイツから招聘された航空技術者によってブラジル政府は航空研究所を設立.さらに国策会社,エンブラエルを設立.90年代に民間に移行してから経営が安定化しました.人材育成にも力を注ぎ,Instituto Tecnologico de Aeronautica(ITA)という高等教育機関(大学)兼研究所も持っています.戦後,航空停止で世界から後れを取った日本とは対極にあります.
https://youtu.be/E4hOzE7RZeo
Uberは「空飛ぶクルマ」実現のため,航空製造メーカー各社とパートナーシップを締結してきました.Bell Helicopter,Aurora Flight Sciences(ボーイング子会社),Pipistrel Aircraft,Karem Aircraft,そして,Embraer. Embraerが提案して進めているのは垂直離着陸用の電動モーター・プロペラに加え,プッシャータイプの推進用プロペラを持つ5,6人乗りのeVTOL.
https://youtu.be/87t8NvJGFOU
「eVTOL」という言葉も知られるようになってきました.
【追記】ほかの方のコメントに目が行ってしまったので,知っていることをお答えしましょう.
・ビルより高い所を飛びます.気流は大きな乱れはないかと思います.基本的に初期は手動有視界飛行でしょうが,衝突防止のセンサーの開発も重要かと.
・固定ピッチなので,オートローテーションはありません.信頼性を高めるためには,推力に余裕があるローターを複数個持ち,一つに異常があっても他がカバーして安全に降ろせるようにすることでしょう.
・比較的,低高度,低速飛行になるので,パラシュートは役に立ちません.完全に開傘する前に落ちる可能性が高い.パラシュートがあれば安全性が高まるかどうかも評価が必要.パラシュート開傘後は,制御ができません.流されて落ちて,地上の被害をかえって大きくする可能性があります.これはドローンにも当てはまります.
・バッテリー性能がネックなのはご指摘の通り.ただ,Uberは,それを踏まえて運用の仕方で何とかしようと考えている.あとは現実的にはハイブリッドか.発電しながら飛行.そこまでして電動にこだわるのは,電動モーターの性能が内燃機関より良いから.昔、エンブラエルの工場を視察したことがあります。
メカのことはみなさんお書きになっていますが、エンブラエルがここまでのし上がったのはその技術力もさることながら、経営のセンス、マネジメント面が大きいと理解しています。
数年前にエンブラエルの年度報告を数年分読んだことがありますが、おぼろげながら以下のような感じのことが書いてあったように記憶しています。
・マーケティングのセンス(2001年9.11のあとの小型機特化でボンバルディアに差をつけたり、2010年前後からのビジネスジェット市場参入など)
・顧客サポート網の構築(パイロット共有やメンテセンターなど含む)
・海外生産などのグローバル生産を行うタイミング(通貨高の時代に複数の海外生産拠点を作り、その後の通貨の変動に際してうまく対応していました)
なお、今回の記事にあるエンブラエルXの主要スタッフの経歴もなかなかのもんです。
社長はエンブラエルの生え抜きですが、サンパウロ大学ではエンジニアリング、そしてFGV(日本でいう慶應みたいなところ)でMBAそして英国のラフバラー大学でプロダクツ開発分野で博士とってます。
部長クラスには、かつていくつものスタートアップを起こしたシリアルアントレプレナーや、プラット・アンド・ホイットニーでサプライチェーンを構築したり、GEデジタル部門にいた優秀な人材を引っ張ってきるようです。彼らの間には「破壊的イノベーション」という言葉が浸透しており、本気で既存の都市の移動手段の仕組みを変えようとしているように見えます。
メーカーの子会社という目線、「ブラジル」という国の印象でエンブラエルXをみると、これから同社が進む方向性と実力を見誤ってしまうような気がしますね。