「がんばっても報われない社会が待っている」東大の入学式で語られたこと【全文】(BuzzFeed Japan)
コメント
注目のコメント
このスピーチを聞いた時、心から「素晴らしい!」と思った。その後、様々な意見も見て改めてなぜこれにそのまま共感できたか考えてみると、自分が当事者として経験してきたことだからだろうと思った。
実際に経験し、その感情を味わうことほど強く行動を変えるものは無い。ここに書かれていること、それ以上のことをいくらでも経験済みだ。少なくとも、私が居た東京大学はボーイズクラブに女子もいて、東大女子は他大学の女子大生とは異なるカテゴリーである。だからボーイズクラブ的発言をしてもいい相手、という位置付けだった。
大学名隠すとか普通にやってたし、女子学生が入れないサークルがあることを聞いてびっくりしたし。東大生に声をかけられて、大学が一緒とわかった瞬間急に無視して歩きさられるなんてザラ。どうやって女子大生を可愛さで選別してるかを延々聞かされたり、東大女子は女子っぽく無いのがいいよって言われたり…私のサークル(合唱団)も東大女子は二人。団員は100人以上で、男子は半分以下。つまり他大学の女子がメイン。そんな日常である。
当時、アパルトヘイトの中でも日本人は特別枠で、中国人と間違えられて差別された日本人が「私は日本人だ!」と言ったというニュースがあり、なんかすごい嫌なニュースだけど、私もおんなじだな…と思ったことを憶えている。
男子が8割、つまり同質性が高いから、実は無意識に男性同士だから許される、全くフェアでない世界にも向かって行きやすい、というか行くのだと思う。同窓会活動を見ていてもその潮流を感じる。だから、「ステレオタイプな男女論」「東大ブランド礼賛」「東大に入れるのだから恵まれている。」というプレミスに満ちたこのスピーチに、ものすごく共感してしまう。
私が折に触れて経験する東大は、実は、その他の環境に比べて、いまだに前近代的でステレオタイプなジェンダーのアンフェアにも満ちている。アファーマティブ・アクションが必要だと思うくらい本当に目に余ると思うことも今でも散見するし、回りよりよっぽど遅れていることも多い。モザイクみたいにすごく進んでいるところと全く古いところが混ざっている。
早く「上野千鶴子はステレオタイプでもう古い!」と言えるような時代が東大に来ることを、きっと上野先生も望みながらこのスピーチをしたと確信している。男女平等、といいながら仕事に邁進する女性を「キャリアウーマン」と呼ぶ社会の矛盾に気持ち悪さを感じながら社会人生活を生きてきました。私個人は「男の人より頑張らないと」と思ったことは幸いにも一度もありません。ごく自然に頑張っていれば認めてくれる環境があったからだと思います。
ただ、稀に女性だから優遇されていると言われることはありました。
優遇されることだらけだったらどんなに良いだろうか。
そして、学歴のないというだけで男性を相手にしない女性も見てきました。
男女差別はどちらが優位に立っても起こり得ることなのです。
品位と知性の本当の意味を皆が学び体現していく世の中にしたい。
この祝辞を読んで改めてそう思いました。
春の始まりに、素敵なスピーチをありがとうございます。共感できる内容がとてもたくさんありました。
「息子は大学まで、娘は短大まで」でよいと考える親の性差別
「どうせ女の子だし」「しょせん女の子だから」と水をかけ、足を引っ張ること
田舎ではこういう傾向が特に強いと感じています。
女の子はどうせ結婚して家庭に入るのだから、教育にお金をかける必要はない、という考えです。
社会でも、ちょっと馬鹿な女の方が扱いやすい と思っている男性も多いでしょう。
女子は子どものときから「かわいい」ことを期待されます。ところで「かわいい」とはどんな価値でしょうか?
愛される、選ばれる、守ってもらえる価値には、相手を絶対におびやかさないという保証が含まれています。
そして、なにより東大入学式祝辞でこの話を取り上げたことがすごいと思います。
東大工学部と大学院の男子学生5人が、私大の女子学生を集団で性的に凌辱した事件がありました。加害者の男子学生は3人が退学、2人が停学処分を受けました。
この事件をモデルにして姫野カオルコさんという作家が『彼女は頭が悪いから』という小説を書き、昨年それをテーマに学内でシンポジウムが開かれました。
「彼女は頭が悪いから」というのは、取り調べの過程で、実際に加害者の男子学生が口にしたコトバだそうです。
「彼女は頭が悪いから」性的暴行をしてもいい相手ということなのか。許せない。きちんとした教育を受けた男性は、性的暴行なんてしない…と勝手に思っていたけれど、先日の住友商事OBの事件のことも考えると、そんなことはないのだ…と確信しました。
フェミニズムはけっして女も男のようにふるまいたいとか、弱者が強者になりたいという思想ではありません。フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です。
そうか、そういうことだ!と、今まで抱いていた違和感が解消できました。
東大ブランドがまったく通用しない世界でも、どんな環境でも、どんな世界でも、たとえ難民になってでも、生きていける知を身につけてもらいたい。
大学で学ぶ価値とは、すでにある知を身につけることではなく、これまで誰も見たことのない知を生み出すための知を身に付けることだと、わたしは確信しています。
新入生にこう話せる先生って、本当に素晴らしいと思いました。
頭の良い東大生たち。この祝辞を真剣に受け止めて欲しいと思いました。