ボーイング墜落事故で注目のセンサー、故障しやすい-データが示す
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迎角はα(アルファ)やAngle of Attack(AOA)と言い,そのαセンサ(AOAセンサ)は主に2種類あります.
一つは今回話題になっているAlpha vane.可動式の小さな翼(vane)が出ていて,空気の流れで回転し,その角度を読み取るタイプ.
もう一つは,プローブ型と呼ばれているもので,突き出たプローブの上側と下側に穴があり,その差圧がゼロになるようにプローブを回転させ,その回転角を読み取るタイプ.
ほかに実験機とかには,対気速度を計測するピトー管に様々な向きに穴をあけ,差圧から空気流の角度を読み取る多孔ピトー管もある.
旅客機は一般的ですが,ゼネアビなど小型機には搭載されていない場合が多い.迎角というのは揚力に関係するので重要ではありますが,パイロットは対気速度とピッチ角,それから操縦桿に伝わる力の感覚,バフェットという振動現象を感じて,失速を回避しているので正確な迎角値は飛行に必須ではない.また,大型機でFly-By-Wireになると,操縦桿に伝わる本当の力のフィードバックはないため,センサから警報を出したり,制御をおこなったり,操縦桿へ人工的な感覚を作り出したりしてパイロットに失速を知らせ,回避させる.旅客機パイロットは一生飛んでいて,訓練以外で失速に機体をいれることはまずないといいます.
迎角センサ関係の事故はボーイング,エアバス,その他で起きていて,とくにAlpha protectionと名付けて,迎角センサから失速回避を自動でおこなっているエアバスは80年代から事故を起こしている.
エールフランス296便(A320).
XL Airways Germany Flight 888T(A320).
ほかに
TWA Flight 843( ロッキード L-1011).
今回,そこにボーイングが加わってしまった.
ピトー管を含め,ADS(Air Data Sensor)は機首に突き出ているので,物が当たって不具合を起こしやすい.ちなみに,研究室の固定翼無人機のADSは墜落やハードランディングするたびに壊れるので,まさに消耗品です.
【追記】迎角とピッチ角(姿勢角)を混同しないように.ピッチ角は,ジャイロセンサ,加速度センサ,地磁気センサで求められます.