学位不要、求めるのはスキルだけ。「ニューカラー」の時代が来た
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IBMのロセッティCEOは、ホワイトカラーでもブルーカラーでもない「ニューカラー」に期待している、と言います。
箔付けとしての学位でもなく、豊富な経験もなく、熟練の技もないが、今、産業界が求めるデジタルスキルがある人間。それがニューカラーです。
学歴どころか、もしかしたら経験そのものの価値もなくなるかもしれない時代、重要なのはデジタルスキルを「学ぼうとする姿勢」。そして実際、ロセッティCEOはIBMでもっとも勉強している人は誰か? 学ぶ姿勢があるのは誰かをデータを駆使して探し、ごっそり、最新職種に異動させたというから面白い。是非お読みください!「ニューカラー」は、IBM・CEOのジニー氏が2016年にテックにおけるミドルスキル・ジョブを意味するものとして使った言葉。ホワイトとブルーの中間に位置付けられます。
今年1月に米ラスベガスで開催されたCES初日最初の基調講演に、彼女が登壇してました。その時も最後の方で少しニューカラーの話をされてました。
「IBM P-tech school を開講している。無償で、現在200人の高校生が参加しており、準学士号を取得できる。今は必ずしも学士号を持つ必要がなくなっている。」
学士号よりもスキルというのは、IBMだけではなく他のテック企業も程度の差はあれ取り入れている考えです。
2016年末に北京で開催されたGlobal Education Technologyという教育カンファレンスでは清華大学の先生が登壇され、その際「Google社員の内14%は学士号を持っていない」との発言もありました。
ジニー氏が言う「好奇心が大事」は、他の経営者だけではなくアカデミックでもそれを唱える人は多いです。Intellectual Vitalityを重視する学術機関、企業もありますね。つまり、学びに対して心から喜べるか、その学びをどう実際の場で責任を持って活かそうとするかなどの力です。
IBM P-tech school:
https://www.ibm.com/thought-leadership/ptech/index.htmlマーケティング業界の仕事はすでに「変わってしまった。」し「変わり続けている。」
今や、リアル接点はデジタル接点を強化する手段に過ぎなくなっている(アフターデジタル)。物を所有する概念より経験のマネジメントが商品になっている(CXM)。経験は商品を使う経験を指すのではない。顧客が自分の望む生活を送る中でそに経験を行い、その際に偶然物が使われることもあるのだと思いマーケティングを考えないといけない(カスタマー・セントリック)。だが、使っている人がそのモノを所有しているとは限らない(シェアリング、サブスクリプション などなど)。
というわけでそもそも商品(モノ)を売ることを考えていては立ちいかない。経験のマネージメントを考えて、マネタイズのモデルを考えなければいけないのだ(カスタマー・ジャーニー)。売り物は本当にモノではなくなってしまっているので。そしてこれからもどんどんその方向性は強化されていく。モノのポジショニングなんて考えても仕方がない。モノは経験の一つの彩りに過ぎない。
少なくともこのことが概念としてわかっていないとホントそろそろ仕事にならない。加えてそのマネジメントには想像力、共感力、そしてマーケティングのシステムツールを使いこなすスキルが必要だ。さてこれを教えてくれる所はどこだ?
今の、過去の知識から導き出された(論文にできる)ことを教えるスタイルの大学では確かにないだろう。