「リチウムイオンよりも優れた電池」の可能性と現実
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元記事で読みましたが、タイトルと書かれている内容がイマイチ合ってないんですよね。Ionic MaterialsもSila Nanotechnologiesも全固体電池もリチウムイオン電池なので。フライホイールやフロー電池がチラッと出てくるだけで、その他の方式の電池は出てきません。ナトリウムとかマグネシウム、ジンクエアーとか。
フロー電池が寿命重視なのでマラソンランナー、リチウムイオン電池は短距離走者と喩えてますが、短距離はフライホイールやキャパシタでリチウムイオン電池は中距離だと思います。
で、記事で何を言いたかったかというと、Silaはリチウムイオン電池の製造工程を変えることなくサンクコストが発生しない酸化シリコン粉末の素材売りしますや、Ionicは低コストのポリマー電解質を使ったロールtoロールの技術供与をしますよ、といった話です。
つまりリチウムイオン電池への投資が今まで行われてきたから、それを無にするような方式や電池構造にはならないだろうという論調を、チェリーピックした事例と当事者のポジショントークで裏付けた記事になっています。
現在のリチウムイオン電池の次に来るのが、負極にシリコンを採用する方式や電解質にポリマーや固体酸化物や硫化物を使う方式ということです。更に次に控えているのは、リチウム系で言えばリチウム硫黄やリチウム金属になります。また電解質は水和錯体も東北大から提案されてます。
ただ先に示したように他の材料系も有るので、資源価格の影響や最終コスト(100$/kWhが目安とされています)次第で変わるのと、EV向けのように実はそんなに高容量じゃなくても良いようにインフラ側で対応する動きもあるので、利用者側の電池の使い方次第でドミナントが決するはず。
最後に後は安全性です。余り知られていないですが、現在韓国の定置用バッテリーは火災が頻発してます。定置用は大量の電池セルを使うことも有り、品質のバラつきが致命的になるので、材料系としてはリン酸鉄のLFPが採用されてますが、それでも燃える時は燃えます。リチウムイオン電池の動向をまとめてあり勉強になりました。ここにあるように、いったん商品が普及するとサプライチェーン全体を巻き込んだ改良・改善が継続して製品の寿命を延ばすというのはよく見る光景で、リチウムイオン電池が簡単に置き換わることがなさそうだという記事の指摘にうなづいてしまいました。
リチウムイオン電池の中にはリチウム金属入ってませんからね 層間物質として入っています シリコンを負極に使うのはこれからが楽しみな技術の一つですよね 正極のブレイクスルーがどのようになるのか気になっています