【核心】中国の「7分の1」じゃ、世界で勝負なんかできない
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注目のコメント
「共同研究1件あたりの研究費が200万円」
は、この記事を読んだ企業さんに「へえ、大学との共同研究って200万円くらいでできるのか」と思われてしまう可能性もあるので補足を。「一般家庭の貯金額平均は○○円」という記事と同じくらい、幅がありすぎるものの平均を議論している可能性があります。
我々のところだと購入すると何十億円とするデータを無料で共有いただく代わりに高くない研究費でご一緒させていただくこともあれば、GPUをガッツリ使ってディープラーニングの研究をしましょうというところはこんな額だとGPU1,2枚しか買えないのでもっとご負担いただかないと無理です。
(補足)
「産業界から大学への研究資金投資は、ドイツの9分の1、中国の7分の1、アメリカの3分の1でしかない。」について。
アメリカは博士に給料も出していてそれにほとんど持っていかれる。中国は獲得した研究費から大学からの給与とは別に自分に人件費を出せる(見かけの給与が上がる)という強いインセンティブがある。という事情もあります。ご参考まで。
先日ドイツのAI研究所でWSを開催してきましたが、そこは面白くて国の予算から雇用されている人は所長の1人だけで、あとの100名を超える職員は企業との共同研究から、だそうです。「お金」の話をさらりと語る、異色の大学長がいます。東工大の益一哉氏。学者というよりビジネスパーソン的な方です。
経団連への確信犯的な提案も実に面白い。先日のコマツとの提携をはじめ、産学連携のトップランナーとしても注目を浴びる東工大。
そのトップに2018年に就任した益氏に、日本の大学と研究力の危機を、タブーなしに語り尽くしてもらいます。まず、益学長を応援したくなる記事です。是非頑張って欲しいです。
教育の改革は、日本の将来の最も重要な要素です。特に、大学が変わらなければいけないと思います。ここで益さんのように変化をいとわない人材の育成が求められます。大学の先生は周りから変化に適応することを嫌う人が多いので、ここを大きく変える必要があります。
面白いのは、半導体の産学連携をヒントにしているところ。これはこの記事を読んで初めて気づいたのですが、私もいつもこんな発想をしています。益さんと同じく半導体の出身だからです。半導体の分野では産学の連携が前提になっています。例えば学会の論文の採択や重要セッションの決定も、産学の両者の意向が反映されます。しかし、これは実は例外的で、ほとんどの学会は、学者が、学者の興味から自らつくった課題を自分で解いて、自己満足するという状況になっています。こういう学会では、企業が実社会の目的を汗をかいて解いた論文は、どんなによい内容でも決して採択されません。大学の先生の空気と合わないからです。こんな学会が多いことも含め、STARCのような方式で変えられればよいと思いました。是非頑張ってほしいです。