VWが「欧州電池連合」 テスラ出身の新興企業と
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ドイツにはTerraEバッテリーセルコンソーシアムがありましたがうまくいかず、BMZが引き継いでSamsung SDIと戦略提携を行い、セル生産の計画を立てている状況と認識しておりました。
(参考)BMZジャパン
https://www.bmz-group.com/Company/Japan/EN_index_1924.html
今回はVWとスウェーデンのNorthvoltによる欧州電池連合(EBU)とのことで、共同開発の内容は以下の通り。
>共同研究は電池の中核部分であるセル開発のほか原料やリサイクルまで、電池生産に伴うすべての範囲を対象
これはNorthvoltからすれば、喉から手が出るほど欲しかった提携で、VWからしたらEVに必要なバッテリーセルを全方位に調達する体制を取るためと言えます。
VWの中国市場向けEVはCATL製を採用しておりますが、量産元がここまでバラバラだと不具合が起こった場合には大変なことになりそう。今のところ欧州の自動車メーカーはすべてセルを外部から調達する方針なので、セルの品質評価とバッテリーマネジメントシステムが肝になりそうです。Northvoltのスウェーデン内ギガファクトリーの進捗についてですが、現地報道を見ると
・今春、拡張工事の建設許可が当局から下りる見通し
・今夏より着工
・2020年末より、製造開始(年産バッテリー重量85000トン)
とのこと。
当局の審査状況を見るに、工場は20万㎡の規模(パナ住之江工場の約2倍の規模ですね)。
https://www.svt.se/nyheter/lokalt/vasterbotten/northvolt-vill-skynda-pa-bygget-av-batterifabriken
ただ、工事がマンパワーの関係で予定通り行くのかは不明です。
スウェーデン全体でも、工場立地地域でも失業率が低く、地方担当省が専門人材の教育プログラム(主に移民向け?)に予算を講じるという報道もあります。
https://www.svt.se/nyheter/lokalt/vasterbotten/nytt-projekt-ska-hjalpa-industriforetag-att-hitta-personal
こうした進捗状況下で、(CO2排出規制の直近ターゲットイヤー2021年が差し迫る中で)ドイツでの工場建設も見越して、今回のドイツの経済エネルギー省のサポートも含めたリリースだと推察しました。
「欧州電池連合」と言えば、VW、Northvoltも加盟している、EUが主導するEuropean Battery Allianceとの違いですが、最新の活動状況から推察するに、EU主導の方は次世代の電池開発およびサステナブルな製造方法(原料からリサイクルまで)にフォーカスして、足元(今後10年ほど)の差し迫った電池生産について、今回の「VW-Northvolt-ドイツ政府」主導の連合が対応するという違いでしょうか。
https://www.eba250.com/the-strategic-role-of-sweden-in-the-development-of-europes-battery-industry/
確かに、関係者も多いので、開発と生産は別にした方が効率が良さそうですね。