バフェット氏も現代金融理論を批判「支持する気には全くなれない」
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現代金融理論(MMT)は、そもそもアメリカの経済学界では傍流。ポストケインジアンから派生した学説で、ポストケインジアンは、オールドケインジアンよりもっと左派的な主張が多い。
傍流過ぎて衆目を集めたことがなく、初めて聞く人が多いようだが、学説としては20世紀からあって、既にその時から主流派からはほぼ黙殺されていた。今般、ロゴフ教授やサマーズ教授ら主流派が正面から取り上げたことで、ジャーナリスティックに取り上げられただけで、学界で再評価されるなどというようなことは考えられない。国民が生み出したモノやサービスの価値は、その国の国民(民間)と政府が分けて使います。政府の取り分は国民から集めた税収相当額で、税金を払った残りは国民の取り分です。政府が国債を発行して国民からお金を集め、取り分、つまり税収以上に使っても、国民が国債を買っている限り、国民は国債に見合う額だけモノやサービスを買わずに節約しているわけですから、国全体としてバランスはとれています。国債を国民が買っている限り政府は破綻しない、と言われる構図です。19世紀のリカードの等価定理の時代から主張されていることで理論としては成り立ちますが、これとても、国民が国債を売ってモノやサービスを買い始めたらどうなるか。国全体の需要と供給のバランスが崩れます。
まして、政府が税金を集める努力も国債を発行して国民に買って貰う努力も放棄して、中央銀行に自国のお札を刷らせてどんどんモノやサービスを買い続けたらどうなるか。国全体の需要と供給のアンバランスが蓄積し、いつか行き詰ることは明らかです。でも、それは国民の行動次第。いつ行き詰るかなんて誰にも分かりません。
自分が稼ぎだした価値以上にモノやサービスを買って生活し続けることは出来ません。自分を国に置き換えても同じです。どんなに綺麗な理論の衣を纏おうと、常識的に考えておかしなことは変なんです。
「危険な領域に踏み込む必要はなく、そうした領域がどこにあるのか正確には分からない」とのバフェット氏のご託宣、その通りだと思います。