丸井が進める「売らないお店」の秘密と、軍隊式の文化を変えた道のりとは?
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「商業施設なのに『売らないお店』とは、これいかに?」と思ってお話を伺ったのですが、ビジネスモデルを転換することで、店舗売上の追求を目的視しない場を作られたとのこと。非常に興味深かったです。
施設をショールーム、コミュニティと位置付けることで、eコマースやサービスと組むこともできますし、お客さんにとっても、他の施設では味わえない体験の場になります。
最近ではスタートアップとの協業も多く、オンラインオーダースーツサービスのFABRIC TOKYOのストアなども展開していますね。
https://fabric-tokyo.com/
これ、何かに似ていると思ったのですが、コミュニティ要素や体験といった、ハード以外の付加価値を狙うという点ではWeWorkと相通じるようにも感じた次第です。
文化の醸成についてもお話を伺いましたが、働いていて最も辛いことの一つは、自分が良いと思えないサービスや商品を売らなければならない場面ではないでしょうか。
この点、「自分がいいと思うものをお客様にお勧めして喜んでもらえたら、自分もハッピーになる。そう考えられると、オーナーシップが生まれる」というお話、得心しました。リアル店舗はこれからますます体験を提供しなくては生き残れない時代。
ECとの競争ではなく、共創が新しい買物体験を生み出すことでしょう。
丸井さんが目指す方向性を志向する小売業が増えていくでしょうね。「朝倉 みなさんご苦労されるのは、やっぱり組織の部分が大きいんですね。
青井 そうですね。僕も正直言えば、3~5年ぐらいでできるかなと思っていたんですけど、やってみたら10年ぐらいかかりました。それを他社さんに言うと、「10年ですか…」と遠い目をされるような雰囲気になっちゃうんですけど(笑)。ここは先ほども申し上げた、在任期間が長い創業家社長の強みですね。」(記事引用)
組織文化とは一つの社会であり、社会は自分を維持しようとするので、マクロレベルでの破壊的変化がない限り、数年で様変わりすることはない。創業家社長の強みは任期が長いことだけでなく、見据える未来が100年単位だということ。
実際、優れたファミリービジネスは七代先となる200年後の繁栄を考えて経営判断をする(あるいは株主として経営陣を監視する)といわれる。今日でも優れた戦略の賞味期限は、20年ぐらいはあるが、それが可能なのは、実は優れた組織文化が戦略を支えているから。微調整をくり返し、自己変容できることで、同じように見える戦略が常に刷新され進化している。
本記事で青井社長が語る「売らないお店」というプラットフォームデザインも、丸井の創業の立ち位置である「割賦販売」「赤いカード(クレジット)」「駅のそば(のファッションビル)」から読み解くと、自然な進化型と受けとめられる。