日本の文化庁の国家予算はフランスの10分の1 美術館好きは多いのに、アートにお金が回らない理由
コメント
注目のコメント
MEMO美術館の数は多いんだけれども、現在、地方自治体が美術関係あるいは文化財に使っているお金は、合計で3,000億円ぐらいです。文化庁が全部で1,000億円ですから、両方合わせると4,000億円ぐらいですね。フランスの場合は国が5,000億円で、地方を全部合わせると1兆5,000億円ですから、合計2兆円ぐらいです。
だから一番象徴的なのは、国家予算に対して文化庁の予算は0.1パーセント。フランスの場合は、国家予算に対して文化予算は1パーセント。つまり10倍です。しかも、地方が1兆5,000億円も使っていますから、その比率はもっともっと開いてくるというような状況がある。予算の問題にフォーカスするのもお立場からすれば当然至極なのですが、文化的側面を総なめして考えると、国内で文化的消費活動に対するインセンティブが落ちている理由にフォーカスせざるを得ないと思うんですよね。ざっくり言えば景気観です。
その証拠に、文化庁予算のうち施設建設費を除いた予算はバブル期も含めほぼ横ばいであるにも拘らず、バブル期にはゴッホやルノアール、モネを買いまくっていたのは、文化庁の予算がどうこうという話と文化振興が捗るという話に相関性は必ずしも無いと言っても過言ではないと思います。
事は単純で、市民にバカであれと教育してきた昭和から平成の教育環境が、そこからドロップアウトしていく、あるいはアップロードされていくごく僅かな人材によってアートの世界を成立させなければならない強制力となってきたからです。
小学校の美術で教えるべきは、絵の具の使い方も大事ですが、琳派や若冲や大観らが紡いできた日本画の歴史やルノアールやピカソがどのような時代を生きてきてあのような絵を描くに至ったのかという物語でしょう。「だから、おそらく今の大学生ぐらいの人たちの中で美術評論をやりたい人を早く見つけて、少なくとも2〜3ヶ国語ができるように訓練して、世界中に日本の美術を紹介してもらうようなシステムを作らないかぎり、今の状況から脱皮できないんじゃないかというほどに、どうしようもなくなっています。」
なるほどです…