フィリピン国名、マハルリカに? 大統領、植民地由来に嫌悪
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「マハルリカ」は、サンスクリット語で「豊かな、有能な」を意味する「マハルディカ」が訛った言葉ですね。ただし、マレー語に「マハルリカ」という言葉はありません。「独立」を意味する「ムルデカ」であれば、マレー語・インドネシア語を話す人で知らない人はいません。同じサンスクリット語が訛った言葉ですが、マレーシア、インドネシアでは、「ムルデカ」という言葉になりました。
「マハルリカ」という言葉がフィリピンでそれなりに重要なのは、この言葉が昔の王侯貴族の名前に使われていて馴染みがあること、そしてそのことからマルコス大統領時代(1965~1986)にナショナリズムを鼓吹するために、通りや建物の名前によく使われた、ということがあります。国の名前にするほどには誰もが愛着がある言葉とはいいがたく、特にマルコス時代を好まない人たちからは賛成されないでしょう。
フィリピンの国名変更論争はずっと続いており、植民地時代の旧宗主国の王様の名前ではさすがにあんまりである、という意見は多数あります。では何がいいかというと、多数の賛成を得られる名案がありません。世界一周を目指す途中でフィリピンで殺されたマゼランを殺害した現地首長の名前をとって、ラプラプ・ランドではどうか、という案もあります。現地の一般の人々はそれほど深刻に捉えてる印象はないですが、ドゥテルテに関しては本当に実行力がある大統領なので、もしそうなったら日本の元号が変わるどころの騒ぎではなくなります…。この国の行政は現場レベルはとんでもなくグダグダなので、混乱極まることが予想されます。