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【猪瀬直樹】作家への道標は、三島由紀夫とカポーティ

NewsPicks編集部
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    静岡県立大学国際関係学部 准教授

    三島由紀夫の何が人々の心に訴えたのか、というと、たしかに筆頭に挙げられるのは「性」でしょう。『仮面の告白』『潮騒』から『豊饒の海』に至るまで、登場人物たちは「性」に突き動かされています。
     20世紀は芸術が「性」とあからさまに結びついた時代です。フロイトが精神分析の学説として人間の根本的な衝動は「性欲」であると喝破して以来、その衝撃はすぐに学術や芸術に波及していきました。フランスで起こったシュールレアリスム運動がその嚆矢です。
     性と芸術が結びつくのは古代からあったことですが、20世紀を特徴づけたのは、人間の「告白衝動」が「性」について告白する時、それが芸術へと昇華する、という考え方です。この趣向も、日本の私小説で実践されていたことで、古くは森鴎外、川端康成にも見られることです。
     三島の場合は、必ずしも「私小説としての性の告白」、ではなく、現代を生きる自分の人生の中で「性」はどのように実現されるのか(あるいは実現しえないのか)、を描いているのが森鴎外や川端康成とは違います。『豊饒の海』の「奔馬」などが典型でしょう。
     フロイトの精神分析の「全ての人間の行動の根本原因は性欲である」という考えに立てば、「性」は芸術にも政治にも転化していくものといえます。これは、共産党員としてレジスタンス活動を実践したシュールリアリストたちにもいえることです。三島の市ヶ谷での割腹自殺も、「性」の政治への転化でしょう。これは20世紀ヨーロッパでは非常に共感しやすい考え方で、三島がヨーロッパで広く読まれた大きな理由でしょう。


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    作家、日本維新の会・参院幹事長

    結核は死の病であった。青春時代に死神を友としながら短い人生を生きる。そして戦争。20歳で桜のように散る、特攻隊もまた死神にいざなわれた青春のひとこまである。抗うことができない運命を生きる。
    そこでは「私」は絶対であり、同時に宇宙のなかの卑小なチリ・芥にすぎないという諦念。何と切なくも充実した生であろうか。

    高度経済成長期、若者は死から遠ざけられた。『鏡子の家』で三島由紀夫が予見したのは、クライマックスのない退屈な日常を生きる以外に選択はないという平和な時代の若者の挫折だった。

    殴られても、豆腐の角に頭をぶつけるぐらいなら、殴られてはいないのだ。

    自由にすべてを選択できる、ということは何も選んでいないに等しい。

    そこから新たに「公」と「私」との葛藤をテーマに方法論を模索していくとしたらな何ができるのだろうか。

    次回以降のテーマです。


  • NewsPicks Studios / NewsPicks Team Leader

    猪瀬さんのイノベーターズ・ライフの「作家論」編は本日で終了です。

    本文中に「新製品」の話題が出てきましたが、普段の(幼少期からスタートする)イノベーターズ・ライフではなく、あえて「作家論」からスタートしたのも、「新しいものをクリエイトし続ける」という意味での、猪瀬さんの「作家」としてのプライドを感じました。


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