MUFGは独銀から航空機ファイナンス事業買収へ、7000億円
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船舶分野での損失から長らく売却の話題がつきなかったDVB(ドイツ交通銀行)。交通運輸ファイナンス(航空機、船、鉄道車両等のアセットに着目)の大家であり、一時期は他機関がそのモデルを模倣していたほどの組織でした。航空機ファイナンスの売却先候補として界隈では、複数の日本のメガバンクも噂されておりましたが、ついに決着をみました。
航空機分野においても、DVBは通常の機材融資に加えて、①アセット(残価)リスクを相対的に取る融資、②投資業務の実績、③ファンド運営等、いくつかユニークな特徴を有していたというのが個人的な所感です(一方、それらの成果に係る業界内評価は割れるところです)。
シンプルな機材融資はグローバルでも完全にコモディディ化しており、参入金融機関も増え続ける中で、利ザヤを下げる競争=ジリ貧の状態です(その原因の一端を邦銀に向ける声もあります)。
そうなると、例えば、相対的に信用力の低いエアラインや流動性の高くない機材等を開拓、アセットリスクを取る、投資等を手掛けるという選択肢になっていきます。そういう文脈もあり、上記のユニークな特徴等も活用しながら、MUFGは事業拡大・リーディングポジションを取る戦略と見受けられます。
注目のコメント
DZ Bankの資料(①)を見ると、ローン金額は全社で213億ドル(2018年6月末)、うち買収する航空機ファイナンスが63億ドル。顧客ポートフォリオは欧州36%、北米26%、アジア・豪州24%、その他14%。52%がナローボディ(A320など)、38%がワイドボディ(777など)、若干Boeingが多い。
記事にあるように船舶ファイナンスのほうで損失が出ていての売り出し。あまり詳しくない領域だが、アニュレポ(②)みたり資産金額とかを考えると、高いのではないかと思うのだが、詳しい方教えていただきたい。特に、飛行機のABSのリターンは下がっているという記事が最近あった(③)。
航空機ファイナンス全般については、見つかった資料の中では④が全体像が書かれていた。
①http://bit.ly/2NBdvV6
②http://bit.ly/2NBuNS2
③https://newspicks.com/news/3624110
④http://www6.econ.hit-u.ac.jp/smbc/download/2018/180530.pdf7年前、三井住友FGを始めとするコンソーシアムがRBSから航空機リースの子会社を買収したのが、73億ドルですから、買収の規模感はほぼほぼ大差ない感じですか。
MUFGは、6年前にアメリカで航空機リースのジャクソンスクエアを買収して軌道に乗せていますから、この分野における知見は十分とみてよいでしょう。