鳩山氏の地震投稿は「流言飛語」 北海道警が注意呼び掛け
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もう鉄板のクオリティとしか言いようがない・・・。
そもそも「CCS」という言葉をご存じない方も多いと思うので、そこの解説から。
「Carbon Dioxide Capture & Storage」の略で、発電所などから出るCO2を煙突から直接地中に引っ張っていって貯留しちゃう、という技術です。
パリ協定でいう2℃目標（産業革命前からの温度上昇の幅を2℃未満に抑える）やら1.5℃目標やらをクリアするには、このCCSを活用して、出てくるCO2埋めちゃえばいいじゃん、ということで、温暖化対策の切り札とも言われています。実際には、コストやCO2埋める場所（基本的に石油や天然ガス掘り出した後の穴に埋めると、地底にこびりついた石油や天然ガスもとれるし良いということなのですが、日本にはそんな穴がそもそもない）等でいろいろ問題あるのですが。
で、いま日本の苫小牧でやっている実証実験が、昨年と今回の北海道の地震の原因と「言わざるを得ない」というのが鳩山さんの投稿。
前回の地震のときにもそうした指摘があったので、研究会が開催され、関連があるとは考え難いという結論が出されていますが、「本来地震に殆ど見舞われなかった地域だけに、CCSによる人災と呼ばざるを得ない。」。
検証を尽くせ、というのに反論する気はないですが（ただ、どこまでやっても可能性ゼロと断言するのは科学的には難しいでしょうから、無駄にコストを上げたり、その技術を使えなくするだけだと思いますけどね）、自分が知る限り地震が無いエリアで地震が起きた⇒だからCCSのせいだ、にはこちらが首をかしげざるを得ません。
既にどなたかもご指摘の通り、メキシコやカナダなどでは苫小牧の実証とは桁違いの量のCO2貯留を行っていますが、そこでは地震が起きているという話もありません。
原子力も、このCCS技術も否定するなら、温暖化については黙って受け入れるということですね。地震の発生メカニズムは複雑で、確かによくわかっていないこともたくさんあるのでしょう。
しかしだからと言ってそれなりの立場にある人たちが、実証的な根拠抜きに、無責任な発言をしていい分野ではないと思います。
ましてや元首相まで務めた方が流言飛語の類で、地元の人達を不安に陥れるのは、社会的、経済的実損に繋がりかねません。
日本はかつて1944年の東南海地震の割れ残りのプレートが東海大地震を引き起こすという「科学的な根拠」に基づいて、唯一予知可能な地震として膨大な予算と社会的体制を引き、東海大地震に備えました。
しかし結局東海大地震は来ず、後に理論は誤りであったと研究者自体が謝罪しています。
このように地震については専門家でさえわからない点が多いのです。
素人、特に社会的に影響力のある人物が、どこぞに転がっているそれらしいデータを孫引きして、あれこれ言って社会や地域を不安に陥れるのは厳に慎むべきだと思います。別記事転載
http://www.ccsassociation.org/faqs/can-the-injection-of-carbondioxide-lead-to-earthquakes/
co2の地下貯留でプレートを動かすほどのインパクトがあるかというと疑問。
苫小牧の実証プラントはせいぜい１日数十トン程度の圧入ですけど、メキシコ湾のプラントは5000トン/日、カナダのプラントは2000トン/日と桁違いなco2を圧入している。ただカナダやメキシコで大規模な地震が起きたとは聞かない。
新しい取り組みなので継続的な検証は必要ですが、今回の地震を持ってccsが原因だと言い切るのは時期尚早では。
JXのメキシコ湾のプラント
https://newspicks.com/news/1997197
カナダのccs
https://newspicks.com/news/2816617
