仏ルノーと仏政府、スナール会長に日産会長兼務させる案推進=FT - ロイター
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日本とフランスでは、会長についての理解が異なる。また、取締役としての職務と業務執行者としての職務とは分けて規律されている。この違いを無視してあれこれ評論するのは間違いだ。
早稲田大学鳥山教授の論文(「会社役員の報酬規制とフランス会社法」『フランス企業法の理論と動態』奥島孝康古稀(成文堂、2011))は次のように述べている。
フランスでは、株式会社において権限を集中させ責任の所在を明確にするために、取締役会において取締役の中から選任される会長(président)に業務全般を指揮(directeur général)する権限を付与する制度が定められている。このため、会長は、PDG(Président-Directeur général)といわれる。
この会長が業務執行者として受領する報酬は、取締役の利益相反取引規制の対象にならない。
業務執行者としての会長報酬についての規定を欠いていた当時、その報酬を取締役会の決議で決定できるのか、あるいは取締役の利益相反取引規制の対象となり、取締役会の許可に加え株主総会の承認が必要になるのかが議論された。破棄院は、一貫して、取締役の利益相反取引規制の対象になると解していたが、学説は分れていた。すなわち、会長が受領する報酬は合意によるのではなく制度によるので、取締役の利益相反取引規制の対象にならないから取締役会の決議により定めることができるとする見解があったからである。
そして、商事会社の法制度を定める法律規定を単行立法に整理した1966年の法律では、会長の報酬は取締役会の決議により定める旨が規定された。この規定は、現在も、商法で維持されている(商法典L225-47条1項)。