100円業界のセリア、生き残る武器は「データ」
今や私たちの生活になくてはならない存在になった100円ショップ。ただ競争激化に加え、コスト増大という苦しみが各社にはのしかかってきている。これを逆にチャンスと捉えているのが業界2番手のセリアだ。セリアは2…
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株式会社セリア(Seria Co., Ltd. )は、岐阜県大垣市に本社をおく100円ショップ運営会社、および同社が展開する100円ショップ。 ウィキペディア
時価総額
2,863 億円
業績

データ活用により独自商品開発+生産性向上
→店舗当たりの売上向上
→従業員一人当たりの売上、利益向上
という素晴らしい構造。
整理してみます。
▼セリアの特徴
・店舗戦略:インショップ重視の出店とスクラップ&ビルドによる店舗政策
・女性顧客をターゲティング=商品開発+売り場レイアウトの工夫
・POSデータを活用してバリューチェーン全体の最適化、独自商品の開発に活かす
→利益率10%超の経営体質を実現
※1店舗あたりの売上は1億円近く
競合のダイソーと比較してみると面白い。
↓
▼ダイソーの特徴は商品開発力
・ダイソーが扱っている商品は7万アイテムで、そのうち99%が自社開発商品
※自社開発の商品量と割合は多い
・商品企画から製造、輸出入、物流、販売までをすべて自社で行っている
・5000店舗の店舗規模があるからこそできる薄利多売を実現
参考:ダイソー、利益1円でもメーカーが日参する「規模の力」の凄まじさ - 大創産業会長 矢野博丈
https://newspicks.com/news/2960695
業績には、多分昨年は原油高も影響したと思う(プラスチックを多用する業界)。一番強いのは円高・原油安(減価安要因)で景気が悪い時(他業態から100円ショップに流れる)。セリアの場合は、さらにここ10年ほどは記事にもある「カラー・ザ・デイズ」業態もあって、景気が良い時にも出店・集客できているのが強さ。
店員さんに場所を聞いているお客さんはよく目にするし、僕もなかなか見つけられず、最近は時間をロスするのが惜しいので割高でもAmazonで買ったりするようになりました。
ああいうカテゴライズの難しいMDでこそ、ロングセラー商品だけでもインデックスして検索可能にすると利便性は大きく上がるんじゃないかと思います。
在庫管理は当然各社が頑張ることとして、その次のオムニチャネル戦略を進めてこそ差が生まれるんじゃないかと。
何でも取り扱っている感覚の100均ですが、よく観察すると商品の入れ替えサイクルは早い。単に品揃えをよくすることはできても、在庫リスクをどう低減しながら品揃えをしていくかは難しいポイントですね。
河合社長が言う通り、この業界、価格競争より、品揃え。そして、在庫リスクとの背中合わせ。
「だからこそデータ分析の技術力が勝負」という河合社長は冷静ですね。
こればデジタル、ネットビジネスも同じですが、データを生かしたビジネスができないと、長くは生き残れない。
在庫リスクに向き合いながら、いかに楽しい店作りと、商品開発、調達力を磨くか。
景気が悪化したら、また更に強い業界に進化しそうですね。
確かに価格競争がない世界で差別化をどう測るか。セリアが人気(個人的にも好き)な理由がかいま見える記事でした。