この連載について
世界のテクノロジーが急速に進化していく中で、京都に居を構える企業たちがしたたかな強さを見せている。スマホから電気自動車などあらゆる先端製品で、欠かせないパーツを握っているためだ。京都企業の強さの根源はどこにあるのか。最先端をレポートする。
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電子部品大手。コンデンサ、通信モジュールが主力で小型電子部品は世界トップクラス。通信用を中心にPCや車載用も手がける。
時価総額
5.75 兆円
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Apple is among the largest companies in the world, with a broad portfolio of hardware and software products targeted at consumers and businesses.
時価総額
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これだけの業績を記録しているのに、「全然まだまだ」「当たり前のことをやっているだけ」「数字を追っても意味がない」と、普通に謙遜される姿がこの企業の強みなのだと感じましたし、一方で、よく発言を吟味すると、当たり前にすごいことをやっているのだと痛感しました。
昨日の日本電産と、村田は、ともに京都で急速に伸びている企業ですが、トップが強いメッセージで発信し突き進む電産と、謙虚かつ控えめながら実はすごいことをやっている村田で好対照で、すごく興味深かったです。
スマホから自動車、さらにはデジタル時代の新ビジネスまで、この75年を迎える"ベンチャー"がどこまで進むのか。きちっと追っていきたいと思いました。
電子部品をその原材料から研究し手掛けるのは簡単ではないし基礎研究開発をしっかりやるということでしょう。今の時代、実はなかなかその予算をしっかり確保してもっと技術を高めるという基本をやり通すのは難しい。
現場力を高めるために権限委譲して…とあるけれど、工場の6割が国内にあるのにそれでも北米やら中国でも普通の会社以上にマーケットに精通してるのはやはり普通の権限委譲では無理なわけですよ。海外の現場が国内の工場をリアルタイムで動かすために何をやってるか?ということなんですよ。
あと、村田社長が色々話を振ってくれてるので、メトロサークや社是についてはもっと深掘りして取り上げてみて欲しかったかも。
以下が社是。結構、こういう基本的なことをきちんと語ってる社是っていいですね。will can mustがしっかり入ってます。
技術を練磨し 科学的管理を実践し 独自の製品を供給して
文化の発展に貢献し 信用の蓄積につとめ 会社の発展と協力者の共栄をはかり これをよろこび 感謝する人びとと ともに運営する
メトロサークは何気に近年では珍しく村田製作所の経営に強いネガティブインパクトを与えている。陳腐化が進みそうなプリント基板の市場にどうしてそうまでして、思い切って踏み込んだのか、Carrerなどの台湾メーカーやLCP以外の低誘電ソリューションとどう差別化していくのか、などなど切り込んで欲しいポイントがたくさんあったかも。
モバイルが落ち込む分を補って余りある車載セラコンの市場の隆盛、ほかの電子部品メーカーは垂涎の的ではなかろうか。
あと、京都ではないが、利益率の高い部品メーカーという視点では将来一度ヒロセ電機あたりも取り上げて欲しいところ。
「やはり権限移譲して、現場に近い所で市場メイキングしていく。上の人に上げたって分からへんから(笑)」
自由と独立、あえて言えば反骨の気風が、京都のよさです。
伝統と革新の融合によるイノベーションを繰り返す進取の気性は、先人から受け継いできた京都の強みであり、誇り。村田社長のインタビューからも、そのDNAがひしひしと感じられ、嬉しいですね。
「大企業とか歴史があると言われても、まだ75年とか。京都は100年企業がたくさんありますし。だから、ベンチャー企業だったんですよね、もともとは。そういうDNAを持っているので、若い人たちに仕事を任せて、みんなで大きくしていくことは身に沁みついているわけです。」
そして、今回のインタビューに書かれている想いが研究者や現場にも伝わっているな、と感じました。ハードウェアという強い引力からソフトウェアの継続課金モデルを醸成出来るかが今後のカギの一つになりそうですね。
記事引用:
ただ、最近では、デジタル化で「モノからコト」への変化が起きています。そうなると、全く異なる仕事の仕方も追求していかなければならない。
早くから研究所をつくり、素材や製造機器にまでこだわる。この粘着性が京都企業村田製作所の強み。
記事で答えられているように、セラコンは幅広い需要のすそ野がある。その中でお客さんの考え方も見えるというのは一定真実ではあろうが、そもそも世界中のメーカーに食い込めて、またその需要動向をちゃんと集めて咀嚼できなければ見えない。前段階としては伸びそうな分野・企業にちゃんと入れるだけの営業と、また価格も機能も負けない状態がある。
幅広く見えていても、車などの成長は「見えなかった」と答えられている。若干矛盾する点もあるがそれも現実とも思い、需要がどうなっていくかというのは顧客動向から見えている部分もあれば、結局どうなるかなんか分からないところもある。
そんなときに自前の工場で設備も自社でというのは固定費がかかる。それでも競合他社比でずっと利益率が高い。それだけ生産性が高いということで、だから再投資もできるし、不況でも他社より安く生産できる(メモリでSamsungが同じような状況を作っている)。他社のほうが先に厳しくなるから、基本的にはジワジワとシェアも顧客の信頼も集められる。
でもその中にあるしなやかな強さ、根底にあるものづくり魂をすごく感じた素敵なインタビューでした。
ところでぜんぜん関係ないのですが、ムラタセイサク君とセイコちゃんの可愛さが異常だと思います。一目見た時からあの絶妙なフォルムにやられてしまいました。この愛をどこで伝えたら良いのかわからず、いったんここに書いておくことにします