この連載について
世界のテクノロジーが急速に進化していく中で、京都に居を構える企業たちがしたたかな強さを見せている。スマホから電気自動車などあらゆる先端製品で、欠かせないパーツを握っているためだ。京都企業の強さの根源はどこにあるのか。最先端をレポートする。
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自動車計測、科学計測、環境・プロセス計測、医用計測、半導体計測等の「はかる」製品・技術を提供。エンジン排ガス計測システムでは世界シェア80%。製造拠点は国内、欧州、米国、アジアに分散。
時価総額
6,833 億円
業績
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それは、やはり自社の哲学が染み付いているからなのでしょう。
堀場製作所は、東京では知られてないかもしれないですが、京都で取材していると、絶対に出てくる名前です。特に、創業者の堀場雅夫さんが、ポニーテールの白髪で登場して、舌鋒するどく日本の政治経済に切り込む強烈な姿は誰もが目にしています。
その創業者を受け継ぎ、グローバル企業に育てた堀場厚CEOも、その血を受け継いでか、言葉のセンスが凄まじい。他には真似できない表現で、物事の本質をついていく様が、歴史の裏付けがある京都ならではなのかもしれません。
ちなみに最新鋭のびわこ工場は、典型的な郊外のニュータウンである我が実家の直ぐ側に完成し、人口流出が続く地元の期待を一新に背負ってます笑。人生で初めて実家から経済取材に赴きました。
現代風に言えば、シリコンバレー程度の情報をメディアで知るとか、コンサル使って教えてもらうとか、ベンチャーキャピタルとか、そうやっているうちはダメでしょうね。それなら周りなど見ずに自ら考えた方がいい。
フランス企業を買収し見事に経営統合を果たしたこともある堀場製作所。京都とフランスの共通点・強みとして、職人の街、ニッチな街、それらへのこだわりを挙げていました。当該フランス企業は徹底的なリサーチをして自ら堀場を買収してもらう先として選定したとのこと。
京都へのプライドや誇り。フランスへのプライドや誇り。それは最初からグローバルを目指すという志。選ばれる企業の理由もこんなところにある。自分たちの事業への明確な哲学・こだわり・想いが堀場製作所や京都を差別化しているのだと思います。
そして、「おもしろ おかしく」「Joy and Fun」は、対談からも満ち溢れてきているように、堀場会長ご自身のセルフリーダーシップやセルフブランディングでもあり、それが社員に共有されている企業が堀場製作所であると観察しています。
買収を重ねている企業ながら、核になる共通するバリューがあるから、「買収してほしい」という話が出てくるし、「ホリバリアン」というアイコニックな言葉が生まれるのだと思う。
工場の移転も、買収後の統合も、時間をかけて人の心を重視されながらやっているのが印象的。記事にはないが一番最初の写真の背景に移っている「おもしろおかしく」という社是(下記)にもつながる点だと思う。
『常に「やりがい」をもって仕事に取り組むことで、人生の一番良い時期を過ごす「会社での日常」を自らの力で「おもしろおかしい」ものにして、健全で実り多い人生にして欲しいという前向きな願いが込められています。』と下記で書かれているが、個々人自らが思うことからすべてが始まるというコアがあるから、それの自然体の結果なのだと思う。
http://www.horiba.com/jp/about-horiba/corporate-culture/
ちなみに、堀場は「技術領域」で事業をしている会社だと思う(具体的には計測)。島津も油圧・航空系を除くとそうだが、堀場の方が計測の手法を広くとっていると思う。
逆に、村田や京セラは技術手法(セラミック・焼成が中心。そこでの技術・経験を武器に素材全体や、電子部品全般に広がり)が事業領域の基本だったり、日本電産はモーターというモノが事業領域。
会社によってドメインがどうなっているかが似て非なるものだと外部から見る分には感じていて、でも何でもやるわけでもない。京都企業、ここらへんが見ていてとても興味深いといつも思っているところ。
「東京から500キロ離れているから、行政に働きかける機会がなかった。行政側にとっても、東京のうちの競合を呼んだ方が、時間的にも早いわけです。
だから、うちは行政に頼らず、自分の価値観で判断して、リスクをとって開発しないと生き延びることができなかった」
なぜ京都企業が強いのか、という問いへの答えになるようなインタビューでした。
市民性、地理、歴史、大学の集積、と要素はいろいろありますが、「意志の力」が大きそうです。
「おもしろ、おかしく」、いいですね。
お世話になりました。
感じるのは、当たり前を疑う力です。
安くしろと言われたら、安くしたくなる
のが人情ですが、他に無い事を知っている
から、お断りをする。
お客さんは、他社に行っても結局戻って来る。
聞いて見れば当たり前ですが、しかし出来ない。
そこに京都のプライドを感じます。
良い物を作っている自信がそうさせる、
安く売らないから、こそ更に良い物を守り
育てる事が出来るのだと思います。
京都人は「自分の目で見ている」のが強い。横並び主義、前例主義、実績主義に負けない、信念がある。そういう教育が京都にはある。「探求心を育む堀川高校とか、御所南小学校とかでも、小学生が、自ら授業を取り仕切ったりしています」。
家電屋さんの話や、商社との喧嘩、面白いエピソードだらけ
男から見ても格好いい方です
一番印象に残ったのが、、、
“メディアは今だけを見て、叩いているでしょう。いかにメディアが現実、本質を理解していないか、表れていますよね。
メディアは日本の企業を叩いていますけど、どの顔して、と思いますね。自分たちが日本の産業の中で、一番変化できていないでしょう。”
読んで痛快過ぎて思わず膝叩く