「イノベーションを起こすなら、自ら陳腐化させよ」ドラッカーに学ぶ、これからの経営に必要な考え方〈前編〉 山下淳一郎(トップマネジメント代表取締役)
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注目のコメント
数年前に大手日系運用会社を退職し、FinTechスタートアップを立ち上げた時に実感したことは、「イノベーションリソースは大手企業にこそある」ということでした。
言い古されていることですが、イノベーションとは単に革新的なアイデアを指すのではなく、それを具現化・事業化することでそれまでの事業・業界構造を破壊的に革新することに他なりません。
しばしばスタートアップ企業こそがイノベーションの担い手としてとらえられますが、実はアイデアの具現化・事業化するために必要な専門人材や資金、外部ネットワーク等は大手企業にこそ豊富にあり、これら事業リソースだけみると大手企業こそがイノベーションの担い手として優位な立場にあります。
では、なぜ大手企業がイノベーションを主導できないのか。それはビジョン・ミッションの欠如や既存事業との調整、PDCAスピードの鈍さ等、既存事業における強みが足を引っ張っていることが多いように思います。
大手企業とスタートアップ企業の連携はこの点で有益であり、スタートアップ企業のビジョン・ミッションやスピード感ある意思決定・行動等と大手企業の事業リソースを組み合わせることが重要だと考えています(但し、大手企業がその事業運営方法をスタートアップ企業に持ち込むことで共倒れというケースも少なからずあるように見受けられますが)。