「iPhone伸び悩み」のなぜ ティム・クックCEOが語る
コメント
注目のコメント
iMacが熱狂的なファンを産んだように、Appleには定期的に「Apple信者」をプロダクトによって創り出すサイクルがありました。
私もiPhoneと出会って以降はずっとiPhoneですし、MacBook Airを使っている人も同じことだと言えます。
その点で言うと、「熱狂」を生み出す製品が2011年以降生まれていないんですよね。
Appleからのワクワク感が確実に失われてしまい、築き上げたブランドの山頂から徐々に下山しているフェーズとも言えます。Appleの手法については学ぶことだらけです。僕らはついつい「点」で捉えてしまいますが、彼らはおそらく、最初に「線」を描き、それを追いかけながら軌道修正をしているようです。直近で報道されている「Appleショック」も、それは「伸び悩み」であったり、シェア下落であったりで、決してAppleという会社の存在感が縮小したわけではありません。その元凶となった中国市場では、サムソンの存在感が完全になくなりましたが、Appleはいまだ毎日のように報道や話題の的になっています。
Appleの戦略のすごみが端的に分かるのは、目前の、端末販売台数競争を避けていることです。彼らの端末の種類はせいぜい十種類前後。日本のメーカーのように、次々と品番を起こすような愚を犯しません。またついつい値を下げる方向に行ってしまうところを、逆張りで踏ん張り、会社の業績をさらに伸ばし続けています。そして極めつけは、教育や医療など、社会ニーズのど真ん中に徹底的にこだわり続けている点です。この三点をキープできている限り、業績悪化やシェア後退に直面しても、まだまだ打ち手はたくさんあります。「点」ではなく「線」で経営するという高度なレベルの会社には、学ぶことだらけです。いま一緒に仕事してる友人が、長年務めたアップルを辞めたときに言ってました。
「ジョブズは効率を考えない。手に触れた時にこれだ!と感じられるためなら何でもするしお金も時間もかける。周りは大変だけど、真似できないものが生まれてくる。
ティムは、クオリティより短期的な収益化が全て。だから今のiPhoneは収益率は高いし従業員も働きやすいけど、ものを創っている感じがしない。下請けも安くてレベルの下がる業者にどんどん変わってる。アップルは全然違う会社になった。」
正しい経営ではイノベーションは生まれないのかもしれませんね。