曙ブレーキが私的整理 金融機関に支援要請へ
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自動車部品大手が事業再生ADRを申し立て。倒産手続きとは異なるものの、日本の基幹産業である自動車業界の主要企業が、このような事態になるとは。他社へとこうした動きが広がらないか要警戒
アメリカ、中国と昨年は前年割れでした。今後、景気だけでなくMaaSの進展もあって、新車販売は曲がり角を迎えます。アジアやアフリカ、中南米など成長市場への販売シフトと次世代技術へのシフトができない組立てメーカー、部品メーカーは苦境に立たされることになります。集約化でモノゴトが解決するとは簡単に行きませんね。
過去2018年8月末の日経記事から引用する。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34704290Y8A820C1000000/
曙ブレーキ工業が主力の米国市場で苦戦している。最大顧客である米ゼネラル・モーターズ(GM)向けの大口受注を逃したのが響き、2018年4~6月期の連結決算は営業利益が前年同期比45%減の10億円にとどまった。数年来、業績の下振れ要因となってきた米国市場という「鬼門」をどう通過するのか。再攻勢のカギを握るのは、株式市場の期待が高い新製品の拡販だ。
業利益でみると、19年3月期の通期計画に対する4~6月期の進捗率は14%と出遅れた。連結売上高の3割近くを占めるGM向けで、モデルチェンジした一部の多目的スポーツ車(SUV)やピックアップトラックで受注を獲得できなかった。部品メーカーにとっての「禁じ手」である値上げを曙ブレーキから要請したためだ。
「米国第一」を訴えるトランプ政権の誕生後、曙ブレーキの横顔が米国で放映された。雇用や研究開発投資などで米国経済に貢献する日本企業の1社として、日本政府が製作したテレビCMだ。曙ブレーキの米国進出は、日米自動車貿易摩擦が吹き荒れた1980年代にさかのぼる。日本車メーカーが現地生産を本格化するのに合わせ、86年にGMと合弁会社を設立した。
それでも、米国事業で稼げないのはなぜか。真因を探ると、同社がリーマン危機さなかの09年に買収した独ボッシュの北米ブレーキ工場に行き当たる。
危機後の米自動車生産や販売台数の落ち込みは逆風となり、生産能力の縮小に追われた。ところが、14年ごろから需要が急激に伸びると、今度は能力が足りなくなった。工場は24時間フル稼働で労務費が高騰。完成車メーカーに空輸で製品を納入するなど輸送費も大幅に増えた。休日のない工場は保守点検に割く時間もなく、故障が多かった。その結果、15年3月期と16年3月期は巨額の最終赤字を計上し、繰越欠損金を抱えるようになった。「買収した事業のマネジメントの難しさが業績悪化として表れている」(格付投資情報センターの岡島康介氏)。