“映え”を超え、多様化するインスタグラム「10の行動」

2019/1/28
プールに浮かべた大きな浮輪、レインボーのスイーツ、絶景ポイントでの自撮り。いわゆる「インスタ映え」を狙って撮影された非日常的な写真――。
インスタグラムは、こうした非日常的でフォトジェニックな写真を若年女性が投稿するイメージが強くないだろうか。
しかし実際には、国内利用者の43%を男性が占めており(※1)、世代・性別は大いに広がっている。それに伴い、インスタグラム文化も多様化した。
最近では、アートや美しい「映える」非日常的な写真だけでなく、よりカジュアルで身近な料理や旅行、ペット、スポーツなど多様化したコンテンツが好まれるようになっており、共通の趣味嗜好を持つ人がつながる場が形成されている。
こうしてインスタグラムが身近になったことで、日常生活の行動にも変化が起きている。実際、インスタグラムの投稿を見て何らかのアクションを起こした人は、国内利用者の82%にのぼるという(※2)
具体的に、どのような変化が起きているのだろうか。今回はインスタグラムで見られるようになった「10の行動」について紹介する。
1、 消える「ストーリーズ」。映えもコメントも気にしない
日本のデイリーアクティブ利用者の7割が使っているのが「ストーリーズ」(※2)。その投稿数は、2年前の20倍にも増えているという。
ストーリーズとは、通常のフィード投稿とは別で、複数の写真や15秒以内の動画をスライドショー形式で気軽に投稿できるもの。24時間で消えることから「映え」を意識する必要もなく、投稿のハードルは低くなった。
利用者はフィードに投稿するほどでもない日常の何げない場面をアップするほか、有名人の利用率も高いため24時間で消えるプライベートを垣間見て楽しんでいる。
インスタグラムは映える瞬間を投稿するアプリから、日常のあらゆる場面をシェアするプラットフォームにシフトしているのだ。
2、人に見せるだけじゃない。自分だけの日記としても活用
24時間で消えるストーリーズ。でも、なかには残しておきたい思い出や、出来の良かった面白い動画などはあるだろう。
そういったストーリーズは、24時間以降も自分のプロフィールページに保存して残すユーザーが増えている。誰かに見せるのを目的としているのではなく、自分の短編日記として、いつでも見返せるようにするためだ。
作り込みをあまりせずに投稿したストーリーズでも、それを構成する写真や動画は、そのときの大事な思い出であることは間違いない。
3、 私のイラストを見て! 文字や手書きイラストで自己表現
インスタグラムは写真や動画を投稿するだけの場ではない。
手書きのイラストで子育てのあるあるエピソードを表現してフィードに投稿したり、ストーリーズに「今の状況」や「何げないつぶやき」を文字だけで表現して投稿する利用者が増加。
多様な手法でより気軽に自己表現するツールへと変化している。
4、 お店探しにも重宝。直感的に「美味しそう」を見つけて予約
飲食店を探すとき、レビューサイトを見る前にインスタグラムを使うのがスタンダードになっているのをご存じだろうか。
何を食べたいかわからない時でも、他の人がリアルに投稿した写真の中から直感的に「今日の気分」を選びやすいからだ。実際、利用者が日本の飲食店アカウントを訪問する回数は、1日50万回というデータもあるという。
普段から、美味しそうな飲食店の写真を投稿している人をフォローして情報収集するのはもちろん、現在地から飲食店を検索して気に入ったお店に行ったり、お店の公式プロフィールから席予約までを完了させたりする人も。
常に新しい情報が更新されるインスタグラムだからこそ、「季節のメニュー」や「今人気のカフェ」を探しやすいのだろう。飲食店探しの口コミツールとして地位を築きつつある。
5、旅先の穴場スポットは、全部インスタグラムが教えてくれた
食だけでなく、旅行やイベントなど、行きたい場所を調べるのにもインスタグラムの検索が主流に。
たとえば、「海外旅行をしたい」と漠然と思った場合。「#海外旅行」と検索し、投稿されているたくさんの動画や写真を見て旅先を決定。
旅行中も、穴場の観光スポットや、現地の人に好まれている飲食店などもハッシュタグやロケーションタグで検索するという具合だ。
検索エンジンの場合、どうしても企業発信の情報がトップに出てくる傾向にあるが、インスタグラムの場合はリアルタイムのユーザー視点の情報が集まっているのが好まれている理由。
ガイドブックには載っていない情報を仕入れられることで、オリジナルの楽しみ方ができるのだ。
6、インスタグラムは記憶装置。「あ、これ好き!」を忘れないために
フィードや検索で、ファッション、小物、カフェ、動物、自動車、アートなど「あ、これ好き!」「参考にしたい」と思った写真があっても、いいねを押すだけではいつしか記憶から消えてしまう。
そこで、自分の脳の拡張として「好き」を保存する利用方法も広がっている。保存した写真は、あとからゆっくり眺めて参考にしたり、詳しく調べたりしているのだ。
また、写真だけでなくDIYの早回し動画や、気持ちいい音をひたすら聞けるASMR動画など、夢中になって見てしまうようなコンテンツを保存して、隙間時間を楽しむユーザーも多い。
7、無名からファンを作る! インスタグラム発・クリエイター激増
アート、ダンス、ファッションなど、写真や動画を駆使して個性を表現し、インスタグラムから活躍の場を広げるクリエイターが増加中。
ストーリーズとは違う最長60分の動画を投稿できる「IGTV」もクリエイターが表現する場として使われている。
利用者にとっては、興味をひかれる世界中のクリエイティブと簡単に触れられて、クリエイターにとっては既存のファンとコミュニケーションを深め、新しいファンに認知してもらう場となっている。
投稿した写真や動画などの作品をきっかけに、夢の実現につながるケースも。可能性は広がるばかりだ。
8、好きなアカウントは地球の裏側にいるあの人。世界とつながる
旅行用、料理用、動物用。「共通の趣味を持つ人とつながる場」としてアカウントを使い分けている人も多い。動物用アカウントなら、自分のペットの写真や動画をアップするだけでなく、同じ犬種オーナーのアカウントをフォローして情報交換をすることも。
自分の趣味嗜好に合う写真を投稿している人をフォローすれば、フィードにわくわくする写真が流れてくる頻度も上がり、インスタグラム上に表示されるコンテンツをよりパーソナライズできる。
いつでもどこでも、自分の好きなものにあふれた世界に没頭できるのだ。
9、最新トレンドもいち早くゲット。無駄のない情報収集
個人アカウントだけでなく、お店やブランドなどの公式アカウントからの情報も楽しみに待つ利用者が多い。実際、8割が企業によるアカウントをフォローし、リアルタイムでの最新トレンドをチェックしたり、お得な情報をゲットしたりしているという。
ビジュアルで短時間かつ直感的に情報収集ができるため、「第二の雑誌」としても使われているのだ。
また、企業にとってもブランドの世界観や商品へのこだわりを発信することで、消費者との重要なタッチポイントになっているという。
10、直感的な広告が決め手に。買い物もインスタグラムで完結
実は、自動車やアプリサービス、フィットネス、コスメ、飲料など企業アカウントの投稿や広告も、利用者からは支持される傾向にある。
フィードやストーリーズで興味をひかれる企業投稿があれば、そこから企業サイトを見に行ったり、商品を検索したり、購入したりしているのだ。
しかも、ストーリーズなど縦型動画を活用した広告を好意的に感じる人は76%にのぼるという。
多様化するインスタグラム利用者層、そして多様化するインスタグラムを起点とした行動。多くの人が、単に投稿するメディアとしてではなく、気づかないうちに生活に密着した新しい使い方をしているはず。
インスタグラムで、あなたの日常はどのように変わっただろうか?
(編集:田村朋美、呉琢磨、イラスト:岡田丈(vision track)、デザイン:國弘朋佳)
1月30日公開、フェイスブック ジャパン執行役員 田野崎亮太氏×BMW Group Company MINIディビジョン山村直子氏の対談もぜひご覧ください。
【インスタマーケ最前線】ビジュアルで人の心を掴む
※1 Kantar Japan 2018年5-6月調査 (Facebook委託調査)
※2 IPSOS 2018年10月調査(Facebook委託調査)