「外国の優れた人材」をカナダへ、留学生優遇で狙う経済活性化
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注目のコメント
カナダの外国人獲得における政策、戦略は素晴らしいです。
一方、全く知られていない日本の驚くべき事実を３つ挙げます。
（まさに昨年のダボス会議に登壇させて頂き、その状況をスピーチさせて頂きました）
1．『カナダは直近1年間で42万人もの移民を獲得した』
＞日本の昨年統計は来月発表ですが、一昨年の新規外国人受入人数（観光客除く）は41.6万人で同年のカナダと比べると何と上回ってます。伸び率からして、昨年統計では更に差を広げているのは確実です。
ちなみに、日本は世界で最も外国人『労働者』の受入が伸びている国です。
（2014年:78万人⇒2017年：128万人。2018年は150万人越え確実。つまり4年で倍増）
2．『2018年8月の時点でカナダに留学中の学生は約57万人に達している。3年前と比べて60％の増加だ』
＞日本の外国人留学生数は、2015年:20.8万人⇒2018年:29.9万人と3年で44％増。
カナダには及ばないが、世界2位の伸び率です。
3．『2017年に卒業後そのまま永住権を取得した留学生は9410人にすぎない。・・・他の道を選んだ学生は4万4000人にのぼる』
＞日本で就職した外国人留学生数は2013年:11,647人⇒2017年:22,419人と直近4年で倍増してます。これは世界最高数値の上に、絶対数で言っても世界3本指には入ります。
上記は全て公式発表数字に基づいてはじいたFactです。ただ、こうした定量的アプローチ/ベンチマークを国やメディアは行わないので皆様には驚きの事実ばかりじゃないですか？
世界で外国人の受入にポジティブ（少なくとも数字上は）なのはカナダと日本の2か国だけなのです。経済成長のために外国人人材に来てもらう必要がある、という時に、合理的なのは、各国の最優秀の人に来てもらって定住してもらうことですね。できれば起業してくれて、日本人も含めて数万人を雇用するようなグローバル企業を一代で築いてくれれば、外国人人材の誘致に大成功した、といえます。
日本でやっているように、人手不足倒産を回避するために、ネパールでもミャンマーでもどこからでも誰でもいいから来てもらう、というのでは、そういった大成功は望みにくいでしょう。そして留学生が増えたといっても定員割れした地方の大学とか日本語学校に入ってアルバイトにばかり精を出している、ということになります。長期的な経済成長のためにはならないでしょう。
日本政府の留学生政策は、日本で暮らすのに十分な奨学金を支給することで、アジア、アフリカ諸国からその国の上の中から上の下くらいの学生を呼ぶことはできています。しかし、各国で同年齢中トップ10番に入るような学生は日本には来ません。そういう学生が判断基準するのは、単に数年間分の奨学金ではなく、卒業後その国に定住して、それこそスタートアップから始めてグローバル企業をつくりあげられるような条件がその国の社会にそろっているか、ということです。もちろん経済全体も重要だし、ビザや労働市場、教育を含めた居住環境など様々な条件が必要です。そういった条件をそろえて見せて、成功例が続けば、トップの外国人学生が日本に来るようになるでしょう。留学生がカナダ国籍の学生の7.2倍の学費を払って大学に入ることのどこが優遇なのか聞きたいものです。ブリティッシュコロンビア大にしても、上限が15％から30％に上がりましたが、入学の条件は、ローカルの学生と変わりません。
ブリティッシュコロンビア大学は、2018年度は留学生の学費が15％上がっていますし、それ以前からも毎年のように学費を上げています。それは2018年単年で約61Mカナディアンドル(50億円強)の収益増を大学にもたらすそうです。その資金が、研究費になったり大学に大きく貢献しています。賛否あるでしょうが、1番のポイントはそれでも学生が集まるってところです。
https://www.theglobeandmail.com/canada/british-columbia/article-bc-universities-impose-steep-tuition-increases-for-foreign-students/
http://www.vancouversun.com/touch/news/metro/huge+tuition+increase+approved+international+students/11563985/story.html
それだけのお金を払ってまで日本の大学に来たいと思う人はいるのでしょうか。で、留学生が集まる魅了は、大学やことばの魅力だけでなく、その後の収入の面も大きくあります。日本の大学に、それだけのキャリア的なプラスを作る事が出来るのか？ブリティッシュコロンビア大学の方針の良し悪しは分かりませんが、優秀な人材を集めようとしたら、まさにオールジャパンの取り組みが必要。日本の大学はこのまま衰退するのか、それとも、外国人にとっても魅力的になるのか。色々考えてしまいました。
