ソフトバンクG、通信子会社上場の手取りが最大見込み比2350億円減少
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オーバーアロットメントはは、公募・売出を行う際、主幹事が発行体の株主から一定数の株を借り入れて、当初の予定株数のほかに追加で売り出すことをいいます。
また、当然借りた株は返さなければいけないので、そのために市場買付けで株式を調達する方法を「シンジケートカバー取引」、一方で発行体から第三者割当増資を受ける権利や株主から追加的に株式を譲渡してもらう権利を付与してもらうことを「グリーンシュー・オプション」といいます。
シンジケートカバーとは、例えば、発行価格が1500円でオーバーアロットメントを含む公募増資を行い、その後30日間株価推移が1500円未満だった場合、市場で発行体の株を買い付けて株主に返します。例えば市場の株価が1300円であれば、市場で1300円で買って1500円で株主に返します。
そうなると主幹事は200円儲かりそうですが、実際には1300円で買い付けるとその瞬間需要が増えるわけですから、株価が上がっていくため、結果的に1500円に近くなっていきます。しかも発行コストは主幹事持ちですから、利益はほとんど出ません。
要は発行価格より200円低く株価が推移しているのは主幹事が需給予想を見誤った結果であり、あまりファイナンスが上手くいかなかったことになります。
一方で、グリーンシュー・オプションは発行価格1500円だった株が1700円だった場合に株を返す方法なのですが、市場で1700円で買って1500円で返すと主幹事は損失が発生するので、主幹事はグリーンシュー・オプションを行使し、返す株数分だけ発行価格と同じ1500円で再度追加で新株発行してもらい、それを主幹事が引き受けて株主に返します。または最初に貸してくた株主に結果的に「売り切り」扱いにしてもらう方法ですね。
今回ソフトバンクは1500円を超えていないので、シンジケートカバーだけで、借り株を返すことが出来たので、グリーンシューは発行しなくて良かった。つまり追加の第三者割り当てが行われなかったので、その分資金が減りましたということですね。
ちなみに「グリーンシュー・オプション」とはこのファイナンス方法を初めて行ったのが、米国の「Green shoe Corporation 緑の靴屋株式会社」のIPOであったことから、この名前がついています。この部分まで見越していたのですか?
取らぬ狸の皮算用ですね。↓
オーバーアロットメントによる売り出しに関連し、野村証券に与えられていた所有するソフトバンク株式を追加的に取得する権利(グリーンシューオプション)が行使されなかった。